「金沢で4泊して、退屈することはないのですか」。近所の方からそんなことを聞かれました。あかつき屋にお泊まりになったアメリカからのお客様のことについてです。
アメリカ人男性は「まだ、足りないくらいだ」と笑って答えられます。それだけ、この金沢の街には、魅力が詰まっているのだそうです。街並み景観、歴史的建造物、食、アート、そして、温かい人情。そうした一つひとつに接していると、心地よく、ずっといたくなるのだそうです。
(あかつき屋での朝食の風景)

この度、ここにお泊まりになったのは、アメリカからお越しになった8人のグループ。そのうちのCoreyさんご夫妻は、あかつき屋に4回目のお泊まりになりました。コロナ禍で来日できない期間があったので、約4年半ぶりとなりました。
(居酒屋末広さんで)

(ひがし茶屋街で)

Coreyさんご夫妻は金沢にお越しになった際は、ここに毎回4、5泊されるので、お互い親戚か友人のような関係になっています。今回は、Coreyさんのご友人家族らも加わり、総勢8人、あかつき屋に貸切で4泊5日されました。
兼六園、ひがし茶屋街などの定番観光地はもとより、今回は、金沢城で開催中のチームラボ「金沢城 光の祭」などにも足を運ばれました。
お食事では、近隣の玉泉邸さんでランチをとられたほか、あかつき屋から歩いて数分のところにある居酒屋「末広」さんで豚カツやアジフライなどを召し上がるなど、幅広く食に親しまれました。ここでは、お店のご主人と女将さんと、言葉は十分通じなかったものの、互いの情熱でホットな交歓をされました。
近所のどじょうのかば焼きの名店「浅田」さんにも足を運ばれ、生きたドジョウに目をくぎ付けに。その美味に感嘆されました。
4泊と長めのステイになりますので、朝は、あかつき屋で、食パンを焼いて食べるなど、アメリカでのふだんの生活を再現するような食卓も繰り広げられました。
(西方寺さんで)

(広済寺さんで)

Coreyさんご夫妻は旅の達人。あかつき屋の近所の方々とも、気軽にコミュニケーションをされます。西方寺さんの奥様らとも、久しぶりの再会を喜び合われました。
また、あかつき屋の前の広済寺さんでは、御朱印を頂き、お寺の由緒や建物の造りなどについても、奥様からお話をうかがいました。
ご一行が滞在された5日間は、ほとんど晴天で、金沢の秋を満喫されたよう。長かったコロナ禍も互いに無事乗り切り、こうして元気で再会できたことに感無量。
皆様、ご宿泊ありがとうございました。また、お会いできる日を楽しみにしています。
極めて稀有な体験をしました。フグの卵巣(子)の粕漬け作りを行ったのです。場所は、白山市美川町の漁港にある、あら与さんの工場。初めて間近に見る数多くのフグの卵巣。そのある種異様さに心を鷲づかみされながら、ひたすら粕漬け作業に従事しました。
これは、私どもが参画する異業種交流グループの体験活動の一環として行ったものです。食文化が豊かな石川の地に生きる者にとっては、発酵食への理解を深める良い機会になりました。
(フグの子の粕漬け作業を体験)

(容器にうず高く積まれたフグの子)

(傍らでは女性従業員がサバの糠漬け作り)

(出来上がったサバの糠漬け)

会場のあら与さんの工場は、美川漁港のすぐそば。藩政時代の北前船の海運に起源をもつというフグの子の粕漬けは、海を間近に見ていると、さもありなんと思ってしまいます。
工場では最初に荒木敏明社長さんから、その歴史やフグの子の粕漬けの成り立ちについて説明を受け、体験に臨みました。私は、撮影係に。
(荒木社長さんが一行に説明)

係りの男性の指導で体験はスタート。丸いポリ容器に酒粕を左官職人が使うような鏝(こて)で平らに塗り広げ、その上に手でフグの子を載せていきます。フグの子は隙間を作らないように、きっちりとはめ込んでいきます。パズルのピースをはめ込むような要領です。
それを交互に行い、その粕漬けの層は、だんだんとうず高くなっていきます。
単純作業のようですが、どうすれば上手にフグの子をはめ込むか、均等に酒粕を鏝でならすかに注意を払っていると、時間はあっという間にたちます。そして、粕漬けの層がポリ容器のすれすれまできたら、出来上がりです。ざっと一時間近くかかりました。
(賞味したフグの子のお茶漬け)

この後、あら与さんの本店カフェで、フグの子のお茶漬けを味わいました。実際に粕漬け体験をした後だけに、そのお味は、格別でした。
お土産としてフグの子の粕漬けが付いてきます。
フグというと、猛毒のイメージがあり、素人は容易に手を出せないところ。しかし、粕漬けなどとして1年以上寝かせると不思議と毒が抜けるのだとか。そのため、この発酵食は「禁断のグルメ」と呼ばれています。
地元の風土に根づく発酵食品を丸ごと体験したひと時でした。
時空を超えて、この場に存在していることの不思議さと心地良さ、そして、ときめきを心身に感じる体験でした。金沢城で開幕したチームラボの「金沢城 光の祭」。金沢城という歴史的な遺構に、光と色と音が、絶妙なハーモニーをつくり、来場者を魅了しました。
いしかわ百万石文化祭の行事の一環として始まったこのイベント。歴史都市・金沢に新たなページを刻む催しとなりました。11月26日まで開かれています。
(様々なアートが展開した「金沢城 光の祭」)



デジタル技術を駆使して、新たなアート世界を創造するチームラボの作品展示は以前に金沢21世紀美術館で開かれ、それを見て非常に感銘を受けました。今回は金沢城を舞台にそのプロジェクトを展開するということで、迷わす来場を決めました。
石垣や建造物などに映し出される様々な映像。それは、カラフルで、動きや点滅を伴うものです。
「千と千尋の神隠し」を思わせるような、寓話的な世界や象や鳥たちが行きかい、交歓する心和む動画、そして、数多くの卵型のオブジェがカラフルに明滅する空間もあり、全く飽きさせない場となっています。
10月に入り、暑さもやんで、お城の一帯には、虫の声が響き渡り、それらは、会場に流れる軽やかなBGMとちょうどよい感じで音のハーモニーをつくっていました。
城下町金沢のど真ん中に現出した、幻想的で斬新なアート空間。
このまちの魅力と可能性を改めて認識したひと時でした。
あかつき屋グループの一つとして昨年立ち上げた旅行事業「あかつきツアー四季のページ」(以下:あかつきツアー)はこの度、石川県観光連盟から文化観光支援事業の認定を受けました。石川県は令和5年度、新たな観光振興策の柱として、本県に根づく豊かな文化風土を基礎として、文化観光の推進を掲げています。その推進策として基金を活用した支援事業を企画し、県内の団体、企業にその事業案を公募しました。
あかつきツアーではこの公募に対して、「庭園文化観光の創造」をテーマにした企画を提案したところ、幸いにも認定を受けることができました。28日には、北國新聞交流ホールで行われた認定書交付式に堀田哲弘代表が出席し、飛田秀一会長から認定書を手渡されました。
石川県は、庭園、お庭資源が豊かなところと言えますが、兼六園などメジャーなところばかりに注目が集まり、市井の優れたお庭にまで十分な評価と注目がなされていないところがあるようです。
あかつきツアーでは、そうしたお庭にも視線を注ぎ、新たな庭園文化観光を確立しようと、本事業を立案しました。その具体化を図る本ツアーでは、庭師さんらにも登場して頂き、お庭の見方、考え方や維持・管理について語って頂くことにしています。
11月中に2本のツアーを実施する予定で、12日(日)に金沢市内、19日(日)に小松市内を目的地として行います。
詳細は本チラシご参照下さい。
【庭園文化観光のチラシ】

あかつき屋グループでは、これまで県内外の観光名所に出かけ、そこのお庭を観賞し、見聞を広めてきました。この文化観光支援事業の認定を受けたことは、私どもにとっては、新たな一里塚と受け止め、気持ちを新たにしているところです。
関係者の皆様には、ご理解とご協力をたまわりますようお願いいたしますとともに、ツアーには大勢の方のご参加をお待ちしています。
ようやく秋の気配を感じるようになったこの週末、あかつき屋のお客様たちが、金沢21世紀美術館で大阪に伝わる伝統芸能の人形浄瑠璃を披露されました。大阪を拠点に活動される乙女文楽座の皆さんです。
乙女文楽さんの金沢公演は、ほぼ10年ぶり。その時もメンバーの方たちは、あかつき屋にお泊まりになっており、私どもにとっては久しぶりの再会にもなりました。互いの健勝を喜びながら、しばし歓談の時をもちました。
(乙女文楽さんの公演=写真は主催者ご提供)


乙女文楽は、人形を女性が一人で操る浄瑠璃で、大正14年に大阪で誕生しました。しかし、一時戦争などで途絶えましたが、有志の呼びかけで平成に入って復活しました。
21世紀美術館での公演では、3人のメンバーが出演しました。「二人三番叟」や伽羅千代萩「政岡忠義の段」など四演目を披露。その熱のこもった舞台は、着物姿が目立つ客席を魅了しました。
座員の方々は公演が終わって、あかつき屋にお越しになった時は、いずれも安どと達成感の表情を浮かべておられました。
お泊まり後の翌朝は以前と同様に、材木町のパン屋・森長さんのパンで朝食を取られました。
(公演が成功し、ここを後にされた乙女文楽の皆様)

乙女文楽の皆さんのあかつき屋での二泊三日。この間は、長かった夏が終わりを告げ、秋の訪れを日ごとに感じる時間でもありました。
互いに、健康に過ごしていることの喜びをかみしめつつ、今日、明日も頑張ろうと気持ちを新たにすることにもなりました。
皆様、ご宿泊ありがとうございました。公演、お疲れさまでした。
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