加賀温泉郷の一つ粟津温泉から車で3分ほどのところにあるこの苔の里は、静かな里山集落の中にあります。いわゆる観光地化による俗化は見られず、素朴な雰囲気が漂います。隠れた名所の感があり、しばし落ち着いた時間を過ごしました。
(ガイドさんの案内で苔の里を見学)

日用町は、過疎化が進み、現在は七戸で集落をつくっています。私たちを案内して下さった、日用苔の里推進協議会の山際富弥康理事によると、この地域は元々杉林であったところに、木を間伐して家を建てたために、絶妙に日向や日陰ができ、苔が生育しやすくなったそうです。
これまでの住民のお世話もあって、スギゴケ、ハイゴケ、ヒノキゴケなどのほか、現在は計48種類の苔が確認されているとのこと。目を凝らすと、その生え方や、色合いなど、様々な苔が育っていることが分かります。開放的な苔の野外ミュージアムの趣があります。
(日用神社に入る)

(神社横には一級河川と言う日用川が流れる)

(緑豊かな苔の絨毯に感嘆)

この日は明るい日差しが注ぐ日でしたが、木立の中は案外と涼しく、森林浴をしているよう。コースには、日用松、能登ヒバや銀杏の大木などがある日用神社や、コンサートや作品展示、結婚式などに利用されているゲストハウス「叡智の杜 Wisdom House」もあります。
80分の説明時間でしたが、散策コースが変化に富んでいる上、ガイドの山際さんの説明が要領を得ているので、全く退屈しませんでした。
(眞子さまが歌会始で詠んだ歌の歌碑)

この苔の里には最近、ビッグな出来事がありました。秋篠宮家のご長女、眞子さまが昨年11月に、この苔の里を訪問なさったのでした。
さらに住民の方々を喜ばせたのは、眞子さまが今年の宮中・歌会始の儀で、ここを訪れたことを題材にした歌を詠まれたのでした。
「広がりし 苔の緑のやはらかく 人々のこめし 思ひ伝はる」
住民の方々の長年のご苦労が、思いがけない形で結実したのでした。
すっかり苔の世界に浸った一日。あかつき屋のお庭に広がる苔を見る目も変わりました。
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