
この不可思議な現象は、ここに訪れたお客さんによっておしえてもらったのでした。この方は、そのガラスを指差して「アンテナが、ゆがんでいるでしょ」と、そのガラスが今日のものと違っていることを指摘されたのでした。
確かにおっしゃる通り、本来真っ直ぐのはずのアンテナが、べこべこと曲がっている。目の錯覚というより、このガラスを通しているため、そう見えるのです。
このガラスが造られた当時は、今ほどガラスの製造技術が発達していなかったため、外の景色を正しく映し出すものができなかったのでしょうか。
一方、同じ窓でありながら、他のガラスは不透明のすりガラスが入っています。なぜ1枚だけ、こんなガラスが入っているのでしょうか。
(有)嶋田工建の社長さんは「ガラスが1枚だけ割れたが、すりガラスは値段が高かったため、この(透明だが外の景色がゆがんで見える)ガラスを代わりに入れたんじゃないですかね」と推測します。
このガラス窓は、未成熟な商品というより、今となればレトロな雰囲気を醸す貴重な建具になっています。
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