町家ゲストハウスの障子、ふすまの張り替えをして頂いている瀬田表具店のご主人は、ペットボトルに入った水について話された後、今度は大きな障子紙を広げてみせられました。
「ここにカビがついているんですよ」と指をさして示しながら、「家を長持ちさせるには、掃除をよくすることと、空気の入れ替えをよくすることなんですよ」と、表具師の立場から諭すように語られました。
(カビが点在する障子紙)

瀬田さんによると、障子紙やふすまは、湿気やほこりを吸い込む性質があるそう。障子紙が湿気を含んだままにしておくと、黄色くカビがつくそうで、「ここにいくつもしみがついているでしょ。2年ほどたって腐った跡ですよ」と、カビの場所を指し示しました。
障子紙やふすまは、時間がたつと、ほこりを吸い込んで目詰まりを起こし、その結果、湿気も取りにくくなるのだそうです。
表具屋さんの話から、家を良い状態で保つには、ふだんの掃除や空気の入れ替えが大事であることが、良く分かりました。
(真ん中部分がはげたふすまの取っ手)

瀬田さんは、今度は細長い棒を私の前に見せてくれました。これは、ふすまの取っ手部分です。
「真ん中の辺りが、はげているでしょ。ここを持って、しょっちゅう開け閉めするから、黒い部分がはげて、白っぽくなったんです」。
そして、ふすまや障子戸には、開け閉めする正規の個所と方法があることを、近くにあった戸を使って自らお手本を示して下さいました。
和の雰囲気、日本の文化
最後に、瀬田さんは、仕事で何回も出入りしている町家ゲストハウスについて、こうおっしゃいました。
「木や壁、障子を見ていると、あの家は住んできた人が、大切に暮らしてきたことがよく分かります。家が古くなったら、古くなった良さがある。古い良さを見てもらえばいいですよ」
さらに、こう続けました。
「(あの町家には)和の雰囲気が感じられる。日本の文化が見て取れます」。
神妙に、静かに聞き入るだけでした。
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