あかつき屋でも、そんな春の恵みを受けています。朝、縁側の引き戸を開け、お客様にお庭の様子を見て頂くようにしています。コミュニティルームから見えるお庭。戸や簾に縁どられたその風景は、一幅の絵のよう。朝の時間、全く予期しなかったその景色にお客様は声を上げ、絵筆を走らせる方がいらっしゃいました。
(前方のお庭に目をやりスケッチされるOさん。左がお母様
=写真掲載了解済)

(コミュニティルームから見えるお庭)

北海道・札幌からお母様とお越しになったOさん。絵画を趣味とされており、4泊5日の金沢ご滞在中、気にいった場所でスケッチされていました。
あかつき屋でも、朝食後、私が縁側の戸を開けて、お庭をご紹介すると、声を上げて驚かれました。コミュニティルームからお座敷、縁側越しに、和風庭園が見えることは、想像されなかったからでした。
お庭は、日ごとに明るい緑へと色が変わりつつあり、見ているだけで春の到来を感じます。
絵心が刺激されたのか、Oさんは早速スケッチ帳を取り出して、お庭に視線を向けて、ペンを走らせ始められました。「なかなかうまく描けなくて」とOさんは、おっしゃいましたが、そばで拝見したところ、達者な筆遣いでお部屋から望むお庭を力感あふれるタッチで描いておられました。
(Oさんの水彩画の作品)

Oさんは、水彩画がご専門で、持参されたはがき大の作品を披露して下さいました。札幌のご自宅のお庭に自生するニオイスミレやアイスランドポピー、近所の森で見つけられたシジュウカラ、そして大雪山に生息するナキウサギを描かれていました。いずれも透明感のある精緻なタッチです。
Oさんは「北海道は、亜寒帯なんですよ。ここは温帯で自然風土が違いますね。この時季に、朝から(外に面する)戸を開けられるなんて、うらやましい」と話され、純和風のお庭を備えたこの町家に、金沢らしさを感じ取っておられました。
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