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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

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やぐらこたつで本当に寝たの?

町家リニューアル工事の第一段階で、畳を取り替える作業があり、1階のすべての部屋の畳が搬出されました。その結果、畳下のねだ板(床板)があらわになりました。ふだんは見えないところですが、家を健全な状態で保つためには極めて重要な部分であり、大工さんらは、その板を目を凝らして見つめました。
(均整のとれた、ねだ板)
yukaita.jpg

「いやー、このねだ板は、いいですねー。こんなにいい状態のものは、そうありません」。施工を行う(有)嶋田工建の社長さんは感心しながら、解説してくださいました。
「(ねだ板の)どこがいいんですか」と尋ねると、社長さんは良い部分として次の点を挙げられました。それらを箇条書きにします。
・はめ込まれた板の幅が広い。これは大きい木を使っているためで、大変ぜいたくである。
・板は、反りや曲がりがなく、いいものだけを使っている。
・板と板との間にすき間がほとんどない。
・板をすぐまくれるように、壁の境で切ってある(普通は壁へのはめ込み式)
確かに、社長さんのおっしゃる通りで、床板は均整がとれた状態になっています。

(やぐらごたつの跡)
horigotastu.jpg

床板を見渡していると、土壁の近くに、四角いはめ板を見つけました。それを社長さんが外すと、炉が切ってありました。
「やぐらこたつの跡ですよ」。社長さんは、そうおっしゃいますが、もう一つイメージできません。
私が子ども時代、囲炉裏や火鉢は記憶にありますが、やぐらこたつは経験がないのです(たぶん)。

やぐらこたつの跡という、その炉は、35㌢四方とけっして大きくありません。
ここにこたつを載せ、炭や練炭を熱源にして、家族が足を入れて暖をとったのだといいます。
もちろん、やけどしないように、炭の上に、鳥かごのような網をかぶせたのだそう。
「昔、やぐらこたつで家族が寝たりもしたんですよ」と社長さん。

こたつにふとんを掛け、そこに体を入れて寝たということだろうが、こんな小さいこたつで寒くなかったのだろうか。こたつの中で、家族の足もぶつかっただろうに。

当時の家族の間柄や暮らしぶりにも思いをめぐらしたことでした。











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コメント

お宝がいっぱい

主人にいろいろと聞きました。このお宅は、お庭だけでなく、いろんなところに家主さんの心意気がこもっているんですね。
屋根裏もびっくりですが、床下も
なんかわくわくする思いです

  • 2010/11/07(日) 21:37:17 |
  • URL |
  • ちびまま #1fbaVHYk
  • [ 編集 ]

民俗資料館のよう

古いもの一つ一つを見ながら
当時のことに思いをめぐらせています。
この家は、民俗資料館のようです。

  • 2010/11/08(月) 17:03:00 |
  • URL |
  • あかつき太郎 #-
  • [ 編集 ]

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