瀬田さん「同じように見えても、戸には、いくつも種類があるんですよ」。
表装された戸を簡単に襖(ふすま)と言ってしまいそうですが、瀬田さんによると、そうではなく、戸にはめこむ障子や桟の位置、形状によってそれぞれ名前があるのだそうです。
「町家も奥の深い世界だなー」。そんなふうに思いました。
(和室の戸について説明される瀬田さん)

瀬田表具店さんには、あかつき屋に年に何回か来て頂いています。主に障子戸の貼り替えです。今回も年が明けたことを機会に2階の障子戸を貼り替えました。
瀬田さんのお店を訪ねました。瀬田さんは、和室の戸には、いくつか種類があることを手描きのデッサンを示しながら、説明して下さいました。
それによると、戸に収まる障子の位置や、障子が貼られる木の桟の間隔などによって、それぞれ呼び方があるとのことでした。
その詳細は、以下の図の通りです。
(瀬田さんが描いて下さった数種類の戸のデッサン)

瀬田さんは、あかつき屋のコミュニティルームにある折部(おりべ)はもうほとんど製造されなくなり、見かけなくなったと、説明されました。貴重なものなのですね。
(このお宿のコミュニティルームにある「吉原」)

「吉原」という艶っぽい名前の戸もあります。これもあかつき屋では、同じコミュニティルームと2階の客間にあります。
あまり意識せずに見ていた戸も、名前を知ることによって、その建具としての特長や歴史をも知ることができるようです。お客様には今後、この建物のみならず、今回教わった戸についてもご紹介させて頂こうと思います。
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