年の瀬も迫ってきたことから、女性のお仲間が、この方の労をねぎらい、前途に幸多いことを願って、懇談の場をもたれたのでした。金沢町家(屋)のこのあかつき屋の落ち着いた風情を楽しまれながら、ご歓談を繰り広げられました。
(石井さん=中央=を囲んで催された会、写真掲載了解済)

(石井さんが手土産に持ってこられた福島の地酒「末廣」)

この日の主人公となったのは、石井いづみさんです。石井さんは、原発のある福島県大熊町のご出身です。震災後の混乱を経て、2011年につてのあった七尾市内のデイサービスセンターで職を得られたのでした。
福島でも介護関係のお仕事の経験がおありだったので、今では職場では大きな戦力となり、毎日元気に働いておられるようです。
今回、その石井さんの能登のご友人が発起人となり、金沢や小松からご友人らが集い、会を催されたのです。
石井さんは、原発のある町で暮らしておられたとあって、震災直後の苦難を語られましたが、「私は明るい避難者です」と話し、終始笑顔で震災後のことから、石川県内での生活まで朗らかに語られました。
石井さんは、地元福島・会津のお酒「末廣」を披露されました。その口当たりの良いお酒に一同満足され、会話は一層盛り上がりました。
この日に集まったメンバーの多くは、昨年10月に福島県を石井さんとともに訪ねておられ、席では、その時の様子についても紹介されました。
(「いくちゃん」は、オカリナ演奏を披露)

そして、お仲間の「いくちゃん」は、その福島の被災のあった海辺で鎮魂の思いで演奏したというオカリナをこの席でも、2曲披露されました。透明感のある音色に、いっとき一同静かに聞き入りました。
東日本大震災は、あかつき屋にとっても思いが深い出来事です。2011年1月ににあかつき屋を開業し、数ヵ月後に未曾有の災害が起こったのですから。
あかつき屋では、その際、お宿の中に募金箱を置き、義援金を募り、お客様らの善意を関係先に寄付させて頂きました。
今回は、ささやかですが、「祈 復興」とのし紙に記した地元のお酒を石井さんに贈らせて頂きました。
石井さんは「12月に福島に戻る機会があるので、みんなで飲みたいと思います」と話されました。
あかつき屋は、観光の方のほか、学生さんのゼミ旅行や、卒業旅行、ご親戚の親睦など、これまで幅広くご利用して頂いていますが、今回は、また一味違った心に残るものでした。
皆さま、ありがとうございました。石井さん、お元気でお過ごし下さい。地元福島の一日も早い復興をお祈りいたします。
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