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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

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饅頭屋さんの春仕事、よもぎ保存へ

お饅頭(まんじゅう)屋さんの春ならではのお仕事を見聞する機会を得ました。あかつき屋の近所の山本観音堂(以下「観音堂」)さんで、お饅頭の材料に使うよもぎの保存処理作業が行われていたのです。

よもぎが入っている草餅などは、その自然の風味が好きで折々に食べる好物の品。その生のよもぎを長期にわたって保存する作業をお饅頭屋さんで目の前で見学させてもらい、草餅に対する認識が大きく変わりました。これから頂くときは、きっと今日の作業を思い出しながら、口にすることでしょう。

(山本観音堂さんが確保した白峰のよもぎ)
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観音堂さんでは、よもぎは草餅のほか、草あんころ餅や花見団子、柏餅などに使われ、お饅頭づくりには欠かせない材料です。

毎年山の草木が勢いを増すこの時期、金沢市内の里山に出かけたり、時には親戚筋の方から頂いたりしながら、一年分のよもぎを確保しているそうです。
今年はこの度親戚筋から、白山ろく・白峰地区の山で自生していたよもぎを4㌔分ほど頂いたそうです。

今日はそのよもぎを長期保存するため、ゆでる作業が観音堂さんの作業場で行われました。
まずよもぎ以外の草や、よもぎの太い茎を取り除く下処理をした後、お湯が煮えた釜によもぎを入れます。

(雑草などを取り除いたよもぎ)
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(釜でゆでます)
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(灰汁を抜くため、重曹を入れます)
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(ゆでた後すぐ水に浸します)
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よもぎに十分お湯がしみ込んだ後、今度は重曹を入れます。ご主人は「重曹を入れることによって、よもぎの灰汁(あく)が抜けるんやは。これがあると、饅頭に苦味が出てしまう。それに、(重曹を入れれば)よもぎも色鮮やかになるし」。
重曹を加えることがポイントのようです。

ゆで上がったよもぎは、すぐに冷たい水で浸します。「急激に水に浸さないとだめ。熱いままにしておくと、よもぎが茶色くなってしまう」。
これも長年の経験に裏打ちされたコツのようです。

よもぎは一晩水に漬けておいた後、手でよく絞って、おにぎりよりやや大きめのサイズにして冷凍保存する流れです。
そして、饅頭づくりで必要な時に冷蔵庫から取り出し、解凍して使うのだそうです。

(店頭に並ぶ草餅・手前と草あんころ餅)
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店頭に並んでいる草餅を改めて見ると、そんなご苦労や苦心が詰まっているのかと思うと、これまでと違って見えました。
何より、野山で元気に育ったよもぎを食する訳だから、身体もヘルシーになるのは間違いなしとの思いを強くしました。

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