3月に入ると、身の回りでいろいろなものが動き出します。あかつき屋の前のお寺広済寺さんでは、蓮如とこのお寺を開いた実如上人を追悼する「法宝物開帳の御忌(ぎょき)」が今日から二日間の日程で始まりました。
一方、あかつき屋の近所のお食事処まるよしさんでは、能登・穴水に春を告げる魚イサザ(白魚)がメニューに加えられ、あかつき屋のお客様は、その珍味と遭遇しました。
寒さは残るものの、次第に高まる春の足音。春到来の喜びとともに、春の観光シーズン本番を控え、にわかに緊張感も生じてきました。
(法宝物開帳の御忌が始まった広済寺さん)

広済寺さんの御忌では、お寺ゆかりの蓮如・実如両上人の追悼法要が営まれ、門徒さんらがお参りされていました。
毎年この期間は決まって雪が降るとの言い伝えがあるのですが、今年は雪はなく、穏やかな初日となりました。
朝に法要の始まりを告げる梵鐘が打ち鳴らされると、静かなあかつき屋界隈に、ピーンとした空気が支配しました。
あかつき屋では、朝食をとっておられたお客様は、驚かれたようでしたが、お寺の行事であることをお伝えすると、うなづかれ、ここがお城近くの金沢の下町であることを再認識されたようでした。
近所のお食事処も活気づいてきたようです。お寿司とおでんのまるよしさんでは、能登・穴水のイサザ漁が3月1日に解禁になったのを受けて、お客様にそのお魚を出されました。
(お客様が味わったイサザの踊り食いのイラスト)

あかつき屋のお客様は、能登の自然の恩恵に早速あずかりました。目の前に出されたのは、お椀に入ったイサザ。メダカよりやや大きいそれは、碗の中でピチピチ跳ねています。
透き通った胴体の中には、卵が連なっているのも見えます。
その様子に少なからず困惑されたようですが、そのまま踊り食いしたそれは「プチっ、プリっと美味でした」とのご感想。お宿ノートには、全く予期しなかった金沢での初の食体験をイラスト付きで記して下さいました。
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