(ことじ灯籠)

兼六園は、町家ゲストハウスからは西方向にあり、2階の和室の窓からは、そのこんもりとした緑地帯が望めます。それだけに、いつも兼六園を身近に感じて過ごしています。
振り返ってみれば、兼六園の散策はこれまでいつも相手がいたり、グループ連れであったりで、一人で訪れるのは、おそらく今回が初めてではないかと、気がつきました。
それだけに、誰に気兼ねすることもなく、本当に自分のペースで、ゆっくりと園内を歩きました。
秋たけなわの穏やかな日射し、柔らかな空気、そして、さわやかな風、気ままに歩きながら、いい季節に来たものだと、心の中でつぶやきました。
「今から一番有名なところに行きますよ」と、団体客を引き連れる女性ガイドさんの声。そこは案の定、ことじ灯籠で、既にカップルらが灯籠をバックに記念写真を撮っていました。
(唐崎松)

しばらく歩くと、唐崎松。堂々とした見事な枝ぶりに感心しました。
(辰巳用水が流れる水辺)

霞ケ池、山崎山、根上松などを通って、辰巳用水が流れる水辺へ。ここの周辺の樹木は落葉樹が多いためか、葉が色づき始めており、その場でしばらくたたずみたい心境に。玉石がはっきり見えるほどの透明な水も、清澄な雰囲気を高めていました。
(苔のじゅうたんの中で顔を出したキノコ)

また、周辺の苔むす緑地の中では、キノコが顔をのぞかせていました。どこか存在を主張しているように見えました。
(霞ケ池の内橋亭そば。コイが群れをなしていました)

ぐるりと回って霞ケ池の内橋亭そばでは、遠足に来た小学生たちが「金色のコイもおるぞいや。さわればきっといいことがある」などと言いながら、コイに手を伸ばしていました。
園内をそぞろ歩いていると、図らずも以前ここに来た時のシーンが、思い浮かびました。その時々で、来る理由があったのですが、その時は、今ほど兼六園の豊かさ、深さを感じなかったのではないかと、感じました。
行楽に来た中高年のグループや外国人の団体さんの姿も見えましたが、わずかな時間でも、きっと兼六園の美のエッセンスにふれたことでしょう。
そして、私にしてみれば、これからオープンする町家ゲストハウスについても、兼六園に代表される金沢の伝統美や落ち着きと調和する、お宿にしていかなければとの思いを新たにしました。
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