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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

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松の木剪定、スッキリと

今日、町家ゲストハウスの庭にある松の木の剪定を行いました。朝からさわやかな日本晴れとなり、強力な助っ人の手を借りて作業に従事、およそ2時間半で松の木はスッキリと見違えるようになりました。

matsu-1.jpg

剪定作業をお願いしたのは、約20年のお付き合いがある加賀市在住のSさん。Sさんは今年、公務員を定年退職されましたが、造園や植物等にめっぽう詳しく、この方面の「名人」「博士」と言ってもいいほど、造詣が深い方です。

Sさんによると、この松は庭の主木で、庭全体を支配している位置づけにあるそうです。その松が、手入れされない状態がずっと続いていたので気になり、今回Sさんに剪定をお願いしたのでした。

Sさんは学生時代は、アルバイトで植木の剪定などの庭仕事をしていたほどで、造園に関してはプロ級の腕前。この日は高さ8㍍ほどの松の木をするすると上がり、手際よく枝を刈りそろえました。これから冬に向かうので、Sさんは「光合成がしやすいように、剪定は6割ほどにとどめた」そうです。

(頭の部分が切られた松。人におじぎする形になっている)
matsushin.jpg

 「この町家に哲学がある」
また、Sさんは「この家と庭には哲学がある」とのこと。その一つとして、今回剪定した木の手前にある低い松は、頭の部分が切ってあるのだそうです。私も、その点が前から不思議であり、不恰好に見えたのですが、これは意図されたもので、縁側から松を見る人に「いらっしゃいませ」とおじぎをしている形になるのだというのです。

主軸となる幹が途中でちょんぎられた格好ですが、上部の1本の枝が、縁側に向かって伸びています。確かに人を歓迎するような姿と言えます。

一見しただけでは気がつかないのですが、この町家には、初めに建てた人の独特のこだわりが隠されています。この家に益々興味をもつと同時に、当時の人の「粋」や「美学」というものを感じずにはおれません。



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コメント

哲学!

庭の木1つとっても、家主の思いが込められているのですね。
この町家を多くの人に知ってほしいなぁ~

  • 2010/10/09(土) 01:13:43 |
  • URL |
  • ちびまま #UsjIszN.
  • [ 編集 ]

町家全体が物語

庭や家のあちこちに以前にお住まいの方の思いが感じられます。
町家全体が物語です。

  • 2010/10/09(土) 15:15:20 |
  • URL |
  • あかつき太郎 #-
  • [ 編集 ]

美しい町家

あかつき太郎さん こんにちは。
あの町家のゲストハウス、楽しみにしています。
11月7日は、金沢城を案内予定。
今年は、ボランティアガイドの声がかかる回数が多いです。
石川に訪れていただけてうれしいです。

町家からの発見

町家を基点にすると
新たに見えてくるものが、あります。

そこがとても新鮮です。

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