雷が鳴れば雨、そして涼しくなる。この流れがあるから、ゴロゴロ響く雷の音は、福音にも聞こえたのでした。
今年の夏は、暑かった。お盆が過ぎても、暑さは止まず、より暑く感じられたほど。それだけに、雷を伴った雨は、恵みの雨であり、生き返った気持ちさえしました。
地をも揺らすほどの雷の音は、今から雨を降らしますという号砲であると同時に、お空が夏に決然と別れを告げる、意志の表れのようにも思えました。
(雨に濡れて、しっとりとした風情を見せる南天)

今日は昼過ぎから雲が多くなり、夕方近くになって、雷鳴とともに激しく雨が降りました。あかつき屋のお庭の緑は、雨に濡れて、生気を取り戻したようでした。雨で元気が出てくるのは、人ばかりでは、ないのですね。
片時の晴れ間、南天は、雨のしずくを赤い実につけて、しっとり、つややかな光沢を見せていました。葉の上にのっている、いくつぶもの水滴を見ているだけで、心が潤います。
(お座敷に迷い込んだカマキリ)

ここ数日、昆虫たちも秋の気配を感じて、動き出しました。お座敷の畳の上に、小動物が留まっています。バッタかなと、近づいてみてみると、小さなカマキリでした。
図らずも家の中に迷い込み、身の処し方に困っているように見えました。
最近では、家の内外で、コオロギやショウリョウバッタの姿も見るようになりました。
夜、観光して、あかつき屋に戻って来られたご夫婦のお客様をお迎えしました。突然の雨に降られて、「しばらく、雨宿りしてました」。
でも、そのお顔に、険しさはなく、涼しさをもたらしてくれた雨を歓迎するようでもありました。
長月・九月に入りました。
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