何と言っても好奇心が旺盛な年代、金沢町家の特徴を鮮明に残している、このあかつき屋の建物が珍しいらしく、生徒さんらは興味津々で、建物の細部にまで目を凝らされていました。
(朝の打合せに臨む慶應義塾普通部地理研究会の生徒さんと先生
=写真掲載了解済、以下同じ)


お越しになったのは、横浜に学び舎がある慶應義塾普通部の地理研究会の生徒さんと顧問の先生ら。
先生によると、地理研には、幅広い生徒さんが所属され、通称「鉄ちゃん」と呼ばれる鉄道ファンや、都市の用水路や暗渠(きょ)を研究している人、日本の地図を初めて作った伊能忠敬に関心をもち、測量技術を学ぶ人などもおられるとのことでした。
ご一行が到着された夜、私は、早速この町家について、説明させて頂きました。玄関の円窓や二階の天井の高いお座敷、広い床の間など、金沢町家ならではの造りは、生徒さんにとっては、刺激的でさえあったようでした。
一泊されて、生徒さんらは「日本らしさ、日本の文化を感じた」とか、「アットホームで暖かな雰囲気だった」などと感想を述べられる一方、「日本の優れた文化の発信地としてのこのお屋敷の意義がよく分かり、応援したくなりました」などと、今後に期待する声まで頂きました。
(鉄道ファンの生徒さんが描かれた金沢駅と電車の絵)

毎日ここで過ごしていると、鈍感になりかねないところですが、少年の感性や知性で受け止めた率直な印象や意見は、大変うれしく、お宿経営の今後の励みにもなりました。ありがとうございます。
ところで、この生徒さんらと夜おしゃべりする機会があったのですが、個人の興味ある分野にかなり精通されているのには驚かされました。
鉄道ファンの生徒さんは、電車やレールなどのハード面だけでなく、鉄道経営についても見識をもっておられ、乗客減少でピンチに陥った地方鉄道の再生事例を紹介されました。
用水路や暗渠が気になる彼は、まずあかつき屋に着いた時、周辺の水路が東京では考えられない姿であるのに、びっくりしたと言いました。
「あかつき屋の横の側溝や裏の用水路が開口していますよね。東京では、安全面や匂いなどに配慮して全部暗渠になっています。金沢の特徴の一つですね」
全く思いがけない指摘でした。
今朝、地理研の生徒さんらは、お宿の前で、以前に山形大学医学部のテニスサークルの学生さんらがとった能登半島のポーズをまねて記念撮影をした後、百万石の城下町の探訪に繰り出されました。
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