でも、ほっと心潤う風景と出会いました。あかつき屋のお客様とよく登る、兼六園へと至る八坂の道。その坂の中腹にグミの木があり、枝に数多く真紅の実をつけていたのでした。
雨が終日降り続き、気持ちのトーンがいきおい低くなりそうな中にあって、グミの実は、そんなグレイな気分をも吹き飛ばしてくれるほどに、赤く鮮やかに色づいていました。
(数多く真紅の実を下げるグミの木。八坂で)

(八坂の中ほどにグミの木がありました)

グミの木が、八坂の途中にあるなんて。その実を発見して初めて知りました。
坂道から見下ろす風景については、四季折々にお客様と楽しんできましたが、まさか、グミの木があるとは。その実を見て、うれしく、懐かしい気持ちになりました。
子どもの時、実家の近所の家の背戸にあったグミの木。今頃の時期になると、その家の友達と実をつまんで、何粒も頬張りました。
スーパーには、サクランボはあっても、グミの実はなく、いつの間にか、私の記憶から、なくなっていました。
思いがけず見つけた少年の日の果実。
今日は、その実を食べることはしませんでしたが、その木の傍らを近所の人が寡黙に昇り降りしていました。
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