それは、境内にある、しだれ桜。地面に向けて垂らす長い枝には、ピンクの花がいっぱい着いています。
この桜の木、聞けば、お寺のご家族の特別の思いがこもった木なのでした。春を迎えた喜びを感じると同時に、来し方行く末に思いをいたす、よすがにもなっているのでした。
(ご近所の人の目も楽しませてくれる広済寺さんのしだれ桜)

(木の下から眺めるとすごい迫力)

お寺によると、このしだれ桜は10数年ほど前に植えられました。先代の住職さんが病を得て、毎年春に楽しみにしていた兼六園への花見に行けなくなったので、ご家族が、その住職さんに、お寺の中で桜の花を見てもらおうと、このしだれ桜を植えられたのでした。
住職さんは数年、この桜の花を楽しんだ後、残念ながら他界されたとのことでした。
でもこの桜の木、お寺の土に合っていたのか、生長が早く、今ではお寺の外から眺められるほどに、背丈が高くなり、毎年春には、濃いめのピンクの花を咲かすようになりました。
近所の人や通行の人ばかりでなく、ありがたいことに、あかつき屋のお客様も、この桜の花を愛でておられます。
お寺によると、このしだれ桜は毎年、近くの兼六園の桜が満開になって、しばらくして満開になるそうですが、今年は冬が長かったせいか、兼六園の桜とほぼ同時に満開になりました。
兼六園の桜を楽しみ、広済寺さんのご家族が思いを寄せられる桜もいっしょに楽しむ。広済寺、あかつき屋界隈は今、春らんまんのムードに包まれています。
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