ご近所の横山町の広見近くのTさん宅。そのお座敷には、様々なひな人形飾りがところ狭しと飾られていました。
華やかで、彩り豊か。気持ちが、ぱーっと明るくなりました。
(江戸時代に作られた古今びな)

Tさん方は、クリスマスシーズンに豪華イルミネーションを整えることで、金沢でも有名なお宅。先のクリスマス時期にあかつき屋のお客様とお訪ねした際、奥様から「桃の節句の時季には、ひな飾りもするので、ぜひ見にいらして下さい」とお誘いを受けたので、この日お伺いしたのでした。
玄関に入ると、早速かわいらしいひな人形が出迎えてくれました。
通されたお座敷には、いくつかのお雛さまの壇飾りや、吊り飾り、そして花や福の神などを題材にした屏風や掛け軸などが据えられていました。
(昭和の初めに作られた壇飾り=左)(ご長女誕生の際に仲間参りした壇飾り=右)


華麗、気品、優美、そんな雰囲気に満ちあふれていました。その中で、目を引いたのは、江戸時代に作られたという古今びなです。歴史を感じさせる装いですが、お内裏さまと、おひなさまはにっこりと笑みを浮かべており、穏やかな表情です。
このほか、昭和の初めに作られた壇飾りと、ご長女が誕生された際に仲間入りした壇飾りもあります。人形の表情や衣装のデザインに時代の違いが感じられます。
奥様としばし歓談。奥様は「私うれしがりなんで、こうしておひなさまを人に見てもらうのを楽しみにしているんです」とおっしゃり、ご友人らをお招きし、ここでお茶をなさっているそうです。
そして、「まだ寒い時季に、おひなさまを眺めていると、心があったかく、やさしい気持ちになります」「毎日を元気に過ごせますよね」などと、互いに思いを語り合いました。
(奥様がお嫁入りされた際に持参された花嫁のれん)

奥様は、最後に素敵なものを紹介して下さいました。29年前、Tさんの家に嫁いだ際、ご実家から持参された花嫁のれんです。孔雀や梅の花などを描いた雅で気品のあるもの。全く新品同様の光彩を放っています。
Tさんご一家から、幸せをおすそ分けしてもらっているような気持ちになり、お宅を後にしました。
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