赤道直下の常夏の国からお越しになったお二人、雪は大変珍しいらしく、雪かきを自ら買って出られたのでした。いつもは黙々とする雪かきも、この時ばかりは、私の心は軽くなり、作業は随分とはかどりました。
(あかつき屋の前で雪かきに精を出されるシンガポールからのお客様)

シンガポールから来られたご夫妻は、金沢の冬を体験したいと、あえてこの時季を選んで来られたのでした。
雪は、大いに歓迎するところ。昨晩、お二人はテレビで雪の予報を知るや、自ら翌朝の除雪を申し出て下さいました。
ご主人は長年シンガポールに暮らし、奥様は日本人で、東京のご出身ですが、除雪は初体験とのこと。
それでもお二人は、スノーダンプや、プラスチック製のスコップを上手に扱い、かいがいしく路上に積もった雪を除いていかれました。
(氷になった雪は鉄製のスコップで取り除かれました)

ただ、アスファルトに氷状となって、カチンカチンに貼りついた雪を取り除くには、さすがに骨の折れる作業のようでした。鉄製のスコップをお貸しすると、気合を入れて、硬い雪をめくり上げておられました。
お二人は、この後の予定が控えていて、雪かきは途中で切り上げることになったので、奥様は「(路面が全部出るまで)もう少しやりたかった」と口惜しそう。だんなさんは「(雪かきは)でも毎日となると大変だなー」と、雪国の苦労をちょっぴり感じられたようでした。
見慣れぬ方の除雪する姿に、ご近所の方も驚かれた様子でした。私は不可解であろうと、その方々に早速説明しました。
テレビの『田舎に泊まろう』の番組で民家に宿泊されたタレントさんが、翌朝「一宿一飯の恩義」と称して、その家のお手伝いをするシーンがあります。
たとえが適切でないかもしれませんが、お客様が雪かきされている間、そんなシーンに居合わせているような感覚にもなりました。
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