近所の和菓子屋「山本観音堂」さんです。今、このお店では、かきもち作りがピークを迎えています。一年で最も寒いこの時期が、もち作りに適しているからです。
(観音堂さんではもちつきが盛んに行われていました)

気温が低い寒の時期は、雑菌が繁殖しにくいため、もち作りには最適なんだそうです。大寒以降の寒の水は、もってこいだそうです。
今朝あかつき屋のお客様とお邪魔した観音堂さんの作業場では、ご主人がもちつき機の前で、懸命についたもちを手返しされていました。このもちには、昆布や豆、えび、塩、黒砂糖などを混ぜて、つきあげられます。
続いて、「とぼ」と呼ばれる木枠に入れられて型をとり、固まった後、かきもちサイズに切られます。
一方、せいろで蒸す段階で赤や黄などに染めて、つきあげる場合もあります。
かきもちサイズにされたもちは、麻縄に編んで、納屋の天井に吊るして、ふた月ほど乾燥させると出来上がります。かきもちを麻縄に編みこむ作業は、観音堂さんでは、知り合いの女性の方にしてもらっているそうです。
(とぼに入れられたつきあがったもち=左)(赤、黄に染められたおもち=右)


このように、かきもち作りは、どうしても人の手が必要になるため、手間隙がかかる分、値段は他のお菓子に比べてやや割高感があるかもしれません。
(麻縄で編まれたかきもち=左) (出来上がったかきもち=右)


観音堂さんでは、自前でかきもちを作るほか、ご近所の方から、もち米を託され、かきもちにしてほしいと依頼を受けたり、乾燥させるのは自分でするから、その直前までしてほしいなど、お客さんからいろいろと注文を受けて、それに応えておられるそうです。
(かきもちを試食されるお客様=写真掲載了解済)

女将さんから一連の工程の説明を受けた後、出来上がったかきもちを試食させてもらいました。かりかりっとした食感、香ばしい風味、家の天井にかきもちが吊るしてあった、遠い子どもの日のことを思い出しました。
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