月や星がきれいに見えるほど空気が澄んだ夜、一人ひとりが順に撞(しゅ)木を振るいました。打ち鳴らされた音色は、心の奥に響くような重いもので、厳粛な気持ちに。引き続いて、お寺本堂に入り、住職さんらの読経が流れる中、手を合わせました。
(除夜の鐘をつくお客様の親子=広済寺)

(お客様は鐘をついた後、お寺本堂でおまいりしました)

この夜は皆で紅白歌合戦を観賞。その番組が終わった途端、お寺から鐘の音が聞こえ始めました。テレビ画面では、行く年来る年の映像が流れ始めており、それと相まって心持ちはにわかに静かなものになりました。
(NHK紅白歌合戦を見るお客様)

お寺へ行くと、既に何人かが鐘をつくために並んでいました。順番が来ると、お客様は一人ひとり鐘つき堂に上がって、鐘を鳴らしました。鐘の音は闇夜に響き渡り、雪の街にしばらく余韻が残りました。
この後、お客様らは、本堂に入りました。住職さんらはお経を朗々と読み上げており、それに聞き入りながら、気持ちを新たにしました。
(徳島県からお越しになったご家族グループ。あかつき屋での朝の団らん)

この日のお客様は、私どもにとって、とても意義深い方々です。このうちの6人は、昨年9月に来られた徳島県のご夫妻がそれぞれのご両親を伴われて、2泊3日の日程で再訪されたのでした。
あかつき屋で年を越されるなんて、何と光栄なこと。それも、ご両親とともにですから、感謝感激です。
今回お会いしたご夫妻は、二度目とあって、初めてお客様をお迎えするような、一種の不安や緊張はなく、遠方の友人と再会するような、懐かしさと親しさがありました。その分コミュニケーションはスムーズで、夜は掘りごたつを囲んで、ざっくばらんなおしゃべりをさせて頂きました。
もう一組は東京からの親子で、車でお越しになりました。4歳のお嬢様がご一緒で、徳島のお客様と一緒に掘りごたつに入って過ごされました。皆が一緒にこたつに入ると大家族のようで、ご年配の徳島のお客様が、そのお子様に注がれるまなざしが、家族を見るような温かなものだったのが、印象的でした。
皆様に心から感謝、今日から新たな一歩
平成23年1月15日に、あかつき屋をオープンしてはや一年。無事に年を越されることができたことに感無量です。これも様々な人に支えていただいたお陰と、心から感謝しています。
この一年、いろいろな方にお泊り頂きました。行き届かなかったところもあり、お客様から学ぶことも少なからずありました。そして様々な地域から来られたお客様との出会いと、ふれあいは、私たちにとって計り知れない元気の源となりました。
ありがとう皆様。私たちは、さらに愛されるお宿を目指して、今日から新たな一歩を踏み出します。
除夜の鐘が響いた大晦日の夜は、そんな心境にさせる時間となりました。
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