(Hさんが手作りした竹ハンガー)

Hさんは、機械メーカーに勤める若きエンジニアで、昨年は、この町家に合うだろうと、手作りの竹下駄をプレゼントして下さいました。
里山保全の思いから、竹の有効活用に関心があり、間伐されず伸び放題の竹林の竹を使って、様々なものを試作されています。
今回は、あまり流通されていない竹ハンガーに挑戦されました。能登の竹林で切った青竹を竹炭の火であぶって油抜きし、3ヵ月ほど日干しすると、竹の表面は、白っぽくなります。これから各パーツを作り、ハンガー状に組み立てられました。その瀟洒な外観は、お部屋にいい雰囲気を与えてます。
(前に住んだ方が残された竹ハンガー)(竹の中が詰まっているのが特徴です)


衣桁に自作の竹ハンガーを掛ける際、Hさんはもう一つ別の竹ハンガーに目を留められました。この町家の前の持ち主の方が、置いていかれたものです。
「このハンガーの竹は、国産のものじゃないんじゃないかな」。Hさんはそうおっしゃいます。と言うのは、竹の中が空洞ではなく、中が詰まっているからです。
Hさんは以前、仕事でベトナムに行って、そんな竹を見たからです。「ハンガーの形といい、珍しいものがありますね」。Hさんは、少し驚いた表情を見せられました。
私もHさんを通じて、図らずも以前の持ち主の方が、物を大切にして住まわれたことが分かるこの町家の魅力を再認識しました。
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