聞けば、御主人が酒樽を使って手作りされたとのこと。
優美ささえ感じるほどの見事な出来栄え。お店の中に上品な趣を醸し出しています。
(藤田さん手作りの酒樽の蓋を材料にしたミニ衝立)

御主人の藤田さんは、不用になった酒樽を使って、様々な物を作っておられます。店の看板にもなっている「酒樽モニュメント」は、その代表的なものです。
今回は、酒樽の蓋を使って、ミニ衝立を作られました。藤田さんは、この作り方を説明して下さいました。
酒樽の蓋は、宴会の鏡割りなどで使っていらなくなったものです。これを乾かし磨いた後、塗料のカシューを塗ります。
次に塗料が乾く前に、金箔店から購入した筒入り(七味のような容器)の金箔を板の表面に振りかけて、きらびやかな模様を描きます。この2つの蓋をこれも塗料と同様にホームセンターで買ってきた蝶つがいででつなぎ合わせます。
手前の台も、藤田さんは無垢の木材を適当な大きさに加工し、塗料を塗って仕上げられました。
台の上に載せる置物や花などは、「嫁さんが飾り付けしてくれたんやは」(藤田さん)とのことです。
藤田さんが、酒樽を使ってもの作りを始めたのは、平成15年ぐらいからだそうです。
息子さんが商売の後を継ぎ、時間に余裕ができたから。不用の酒樽を使っていすを作ったのが最初。「酒樽製のいすは、日本でもわしが初めて作ったんじゃないかな」と笑いながら言われます。
(酒樽を使ったいす。素朴な味わいがあります)

でも、もともと器用なたちではなかったそうです。
「少しずつ、やっていくうちに段々ともの作りが楽しくなっていったんですよ」とおっしゃいます。そうこうするうちに電動のこぎりなど、一通りの大工道具もそろったそうです。
そして笑いながら「ボケ防止やストレス解消にもなるんやは」とも言われます。
さらに私が感心するのは、藤田さんご一家のチームワークの良さ。
奥さんは、よく店番に立っておられるし、お嫁さんも書道の腕を活かして、看板や垂れ幕の文字などを書いておられます。
ご家族が明るく協力される姿は、自営業のお手本と感じています。
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