今回あかつき屋に連泊されているカップルは、加賀温泉の伝統工芸村「ゆのくにの森」にまで足を延ばされ、金箔模様を施した輪島塗のお箸を作って来られました。お箸の表面に描かれた繊細な模様は、とても初めて挑戦したとは見えないほどの見事な出来栄えで、思わずうなってしまいました。
(お客様のカップルの手による金箔模様をあしらった輪島塗のお箸)

東京から来られたこのお二人さんは、石川県出身の友人から金沢に行くなら加賀の「ゆのくにの森」まで行き、手作り体験することを勧められたそうです。それで、お二人は今朝早速、JRの列車で加賀温泉へと向かわれました。
お二人は、ゆのくにの森では職人さんから手ほどきを受けながら、錐(きり)のようなものを使って、箸に模様を刻みました。
一時間ほどかけて、彼は猫と昨晩見た名月を、彼女はハスの花を描きました。ちょっとでも手元を誤ると、要らないところを傷つけてしまうので、ふだん仲の良いお二人もこのときばかりは、一言もしゃべらず、全神経を手指に集中して作業に励んだそうです。
(自ら金箔模様を施したお箸を手に取り、笑顔を見せられるお客様のお二人=写真掲載了解済)

彫り上げると、職人さんが箸に金箔を手際よく施し、表面を磨き上げて仕上げてくれたそうです。
手作り体験の料金は千円とのこと。値段はお手ごろですが、そんなことより二人にとっては、石川県の観光地で風土に根ざした工芸品をともに汗して作り上げたことが、何よりうれしかったようです。
お二人の満足そうな表情に接すると、私も気持ちが明るくなりました。
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