(町家風建物の鮮魚店「越吉」さん)

越吉さんの店舗は、大正14年の創業とあって、町家風の建物。店頭には、いく種類もの鮮魚が並んでおり、自慢のうなぎのかば焼もガラスケースの中にありました。
(鯖のへしこ)

その中で、目に留まったのは、「自家製鯖(さば)のへしこ」の文字。金沢では「こんか漬け」が一般的な呼び方だけに、余計に興味をもちました。
ご主人に話をうかがうと、今年は猛暑だっただけに、7、8月はよく出たそうで、「あと(鯖を漬け込んだ)桶は一つだけになりましたわ」(ご主人)とのこと。鯖を漬けて、出来上がるまでには1年かかるそうで、ご主人は「これから来年分の漬け込みに入ります」。ただ、鯖はサンマと同様、暑さのせいで、不漁であるのが気がかりとのことでした。
(鯖のへしこをご飯の上に載せたお茶漬け。惣菜の残りも添えている)

いわゆる、こんか漬けは、焼いてご飯と一緒に食べるのが、ポピュラーのようですが、私は、焦げ目がつく程度に焼いた後、これをお茶漬けの具にして食べました。この食べ方は、以前に白山市美川のフグのぬか漬けの製造業者に教わったもので、この時フグをご飯の上に載せて食べたところ、おいしかったので、今回鯖でも試してみたのでした。
お茶漬けにすると、ぬか漬けの塩辛さが薄らぐとともに、鯖の脂がお茶漬けのお湯の中に浮かび、これが何とも言えない、うまみになるのでした。焼いて、ご飯と一緒に食べるもよし、お茶漬けにするもよし、へしこ(こんか漬け)は、結構長持ちする、お得な郷土食ですね。
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