舞台の近くには、着物を着た女性たちや男性の姿があり、「石引良いとこ」などと歌った民謡が流れています。今から踊りが始まる、そんな風情です。

移動中だったので長居はできず、帰ってから下馬地蔵の近く、笠舞に実家がある妻に、そのことについて聞いてみました。
子どもの健やかな成長を願う地蔵盆にちなんだ盆踊りとのことでした。毎年8月24、25日に、地蔵盆の法要が営まれ、その後、盆踊りが行われるのだということでした。
地蔵盆は、同じ日程で笠舞でもあるのだそうです。
妻の実家では、おばあちゃんや母が熱心で、地蔵盆に行くと必ずお下がりのおやつを持ってきてくれたそうです。
「盆踊りは、私が子どもの頃、天徳院の境内で行われていたの。とてもにぎやかで、よく親と一緒に行ったわ。子どもが少なくなったせいか、いつの頃からか下馬地蔵のとこで行うようになったようね」
妻の口調は、ちょっぴりさみしげです。
「(地蔵盆の)盆踊りは、子どもたちにとっては、夏休み最後の楽しみだったわ」。
石引の奉納盆踊りが行われる会場は今、踊りが繰り広げられているところでしょう。お客様をお迎えしての夜でしたので、あかつき屋で、老若男女がつくる踊りの輪を想像しました。
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