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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

あかつき屋の庭 素敵な色鉛筆画に -前回の続き-

あかつき屋のお庭が素敵な色鉛筆画になりました。この度、フランス・パリから来られたカップルの彼Fさんが、宿泊の記念にと色紙に描いて下さったものです。やわらかく温かいタッチの作品で、見ているだけで心がなごみます。上がりの間に飾らせて頂くことにしました。
(フランス人のFさんが描いたお庭の色鉛筆画)
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お客様については、ほとんどがチェックインされるまで、どんな方なのか分からないのですが、お宿でおしゃべりしていると、その方のお仕事やご趣味などについて図らずも知ることがあります。
フランスからのお二人もそんなケースで、彼は、第一線のグラフィックデザイナーとして活躍していることをおしえて頂きました。
仕事の幅は広く、Webのデザインから絵本のイラストのような作品まで手がけておられます。その作品の一部をスマートフォン(略:スマフォ)の画面で見せてもらったのですが、キリンや象などの動物が、ほのぼのとしたタッチで描かれていました。
(描き始めて間もないお庭の絵)
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滞在最終日となった前日の夜、彼が私に記念に金沢の思い出を絵にしてくれると、申し出てくれました。
ひがし茶屋街や兼六園、金沢城公園、尾山神社、21世紀美術館、近江町市場……、2人は金沢市内を精力的に回られました。
どこを絵にしてくれるのでしょう。彼はその中で「金沢駅の鼓門が良かった」と言いました。駅の近代的なデザインの中で、伝統芸能に使われる鼓をイメージした鼓門が、ざん新に映ったようです。
(Fさんの手によるお庭のデッサン)
shasei0101.jpg
今朝6時ごろ、1階の渡り廊下付近でかさこそ音がしていました。「朝早くになんだろう」。私はいぶかしく思い、そこに近づきました。
と、Fさんがお庭に向かって腰を下ろし、色鉛筆を走らせているのでした。じっくりとお庭を眺め、様々な色を使って、灯籠や手水鉢、松、敷石などを丁寧に描き分けていました。
「朝日に輝くお庭がきれいで」。彼はそんなことを口にした後、引き続き色鉛筆を動かしていました。
その絵は、前日に彼のスマフォで見せてもらったのと同じような作風で、やはり、優しい雰囲気が漂うものでした。

そこに彼女のOさんがやってきました。「お庭を描いているんだ」。Oさんは、昨晩の話の内容から、彼は金沢駅の鼓門を、描くとばかり思っていたようでした。私も、そうでした。
しかしFさんは、いろいろと考えた挙句、朝の光で生命感に満ちるお庭を写生の題材に選んだようでした。

几帳面な彼は、一筆一筆おろそかにせず、心を込めて描いていました。「彼 すごくまじめですね」。
私は、独り言をつぶやくように、Oさんにそう言いました。
「フランス人でも、彼ほどまじめな人は、いないくらいよ」。彼女は、そう言いながら、そばにあったスケッチ帳を開いてみせてくれました。
そこには、今彼が描いているお庭のデッサンが描かれているのでした。完璧なものにしようと、事前の準備も怠らない、彼のその念の入れ方には、感服するばかりでした。

2時間ほどかけて、Fさんはお庭の絵を仕上げられました。それは、彼のお人柄が伝わるような、ほんわか感が色紙に満ちあふれていました。そして、私にとって何よりうれしかったのは、彼がこの町家に愛着(愛情)をもってくれたことでした。

色紙の裏には、今日の日付と2人のサインが記されました。
当初予定した3泊が、新潟豪雨によるJRの不通で2泊に短縮されたのは、口惜しいことでしたが、「二人は、また必ず来ます」と出発の言葉をかけて下さいました。

「わずか足掛け3日のあかつき屋でのご滞在に、こんなドラマが生まれるとは」。風雪を越え、幾多の年輪を刻んだこの町家がもたらしてくれた貴重なご縁に、感謝の念を新たにしました。







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