一方、家に“珍客”が訪れ、気持ちをゆるませてくれることもありました。台所にトンボが迷い込んできたのです。
多少とも、涼しくしてくれる町家の夏のあれこれを拾ってみました。
(玄関の軒下に吊るした風鈴)

風鈴は、妻の友人がプレゼントして下さったものです。岩手県水沢産の南部鉄器です。
玄関の軒下に吊るしたところ、短冊が風に揺られ、風鈴独特の音を奏でます。その音は、意外と軽やかで品があり、正直驚きました。もっと大きな音が出るのかと思っていたものですから、おとなしめなその音は、洗練された雰囲気さえありました。
お客様や近所の人の耳をなごませてくれているようです。
(台所に迷い込んだトンボ)

数日前、台所でカサカサと音がするので、窓辺に目をやると一匹のトンボがバタバタと羽を動かしていました。天気がいいとお庭に面する引き戸を開けているので、そこから入ってきたようです。
トンボが家の中に入ってきたのは初めてのことで、ほっとするような気持ちになりました。
しかし、しばらく見ていると、羽根を上下に動かすだけで、立ち往生しているようです。
「このままにしておくと、弱るだけだな」
トンボの胴体をそっとつまみ、お庭に逃がしてやりました。
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