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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

氷室まんじゅう作り 生で見ました!

あかつき屋からサンダル履きで行けるほど近くにある和菓子屋と言えば、「山本観音堂」(以下・観音堂)さん。
そのお店の前に氷室まんじゅうの旗が立てられていました。
「いよいよそんな時期か」。お店では、金沢の夏の食の風習である氷室まんじゅう作りが最盛期を迎えており、仕事場でその様子を見せて頂きました。

kannondousan.jpg

氷室とは金沢では、冬に降った雪を夏まで持たすため保存しておく場所のこと。藩政時代、旧暦の6月1日に氷室の雪を将軍に献上するため、江戸まで届けたという歴史があります。
それにちなんで、無事夏を乗り切れるよう無病息災を祈願する意味あいで、この時期に酒まんじゅうの氷室まんじゅうを作り、食べる習わしになったようです。

観音堂さんは、6月末は、正月前の12月と並んで最も忙しくなる時期だそうです。
売り場すぐ後ろの仕事場では、香ばしいにおいがたちこめており、御主人と女将さんが、かいがいしく手を動かしていました。

まんじゅうの皮の生地には、お酒の風味をだすために、酒の原形といえる、どぶろく(濁り酒)を練り込みます。氷室まんじゅう作りに、どぶろくを使っているのは、金沢でも数軒しかないのではとのことで、実際に甕(かめ)に入ったどぶろくを見せてもらいました。その素朴さを通り越して、原初的な雰囲気に思わず声を上げてしまいました。
(どぶろく)
doburoku01.jpg
(ほいろと呼ばれる発酵器)
himurohakkouki.jpg
(ほいろを暖める、練炭こんろ)
rentankonro.jpg
出来上がった生地には、黒あんを包み、これを発酵させます。その発酵させる道具が、引き出しがいくつもある木箱です。「(木箱は)漢字でどう書くかわからんけど、『ほいろ』と言うんやは」(御主人)。
その年季の入った、ほいろを下から暖めるのが、練炭こんろです。能登(たぶん珠洲)産の珪藻土製の例のやつです。
練炭こんろを使うのは、「ガスの火だと強すぎ、練炭だと火力が安定し、ちょうどいいんです」と、御主人は言います。

(せいろで蒸された氷室まんじゅう)
seiro.jpg
ほいろで発酵させたおまんじゅうは、今度は、せいろに入れて蒸します。おもちを作るのと同じ要領です。
私がお邪魔した時は、蒸し上がったばかりで、女将さんは、せいろから白、うす緑、薄い赤の三色のおまんじゅうを手際よく長四角の器に移していました。

(出来上がった氷室まんじゅう)
himurodekiagari.jpg
「ちょっと熱いけど、出来たての(氷室)おまんじゅうを食べませんか」と女将さん。
「えっ。いいんですか」。私はお言葉に甘えて、1個頂きました。

口の中で、ほわーっと広がる甘みと食べ応え。梅雨の不快感を一気に吹き飛ばしてくれました。


















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