
ハントンライスは、オムライスに似た洋食ですが、ご飯を包む卵焼きの上に魚のフライをのせるのが特長。もともとは、40年以上前に片町のレストランで調理場のシェフらがまかない料理として考案したのが始まりだそう。
「ハントン」の「ハン」は東欧の「ハンガリー」から取り、「トン」はフランス語で「マグロ」を意味するのは、フライの魚は、初めマグロを使ったことによるからのようです。
この戦後生まれの洋食が金沢で人気が出たのは、うなずけます。上にのっているフライがお魚であるのが、重要なポイントだと思います。
私が思うには、お肉と違ってお魚であることが、しつこさをやわらげ、ヘルシー感を与える効果があるのでは。そこが、ふだんから海の幸の恩恵に浴している金沢人の舌と体にフィットしたのかもしれません。
このラッキーさんも30年ほど前からハントンライスを出しており、今では店の名物料理になっています。
「金大がお城(現在の金沢城公園)の中にあった時は、よく学生さんが食べに来てくれてにぎわいましたよ」とマスターは振り返ります。でも、それは古き良き時代として回顧の対象になっている訳ではありません。
「今でも大阪などからでもグループでハントンライスを目当てに食べに来てくれるんですよ」とマスターは手ごたえを話します。
(マスター手作りのタルタルソース)

ラッキーさんのハントンライスが今も人気が高いのは、秘密があるようです。マスターはこう企業秘密に近いようなことを語ります。
「フライの魚は、オヒョウを使ってます。ヒラメの大きいやつです。値段は高いけど、これがお客さんの口に一番合っているみたいやわ」。
さらにタルタルソースやマヨネーズは自家製で、ご飯はやや硬めに炊き、卵は柔らかめに焼くのが、ポイントだそうです。
ラッキーさんにハントンライスを注文すると、お皿にレタスやトマト、イチゴなどのミニサラダが添えられ、ワカメや麩などの具が入ったお味噌汁が付いてきます。
私は食生活については、結構栄養バランスを気にする方なので、こんな取り合わせは、とてもうれしいもの。気さくなママさんとのおしゃべりも気が晴れるので、お客様をお送りした後の「ラッキー通い」は今後も続きそうです。
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