その作業で家具や電化製品などを動かしていると、それらの裏面に購入日の記載を数多く発見します。そこからは、以前住んだ方の、物への愛着、物を大事に使っていこうとうする心が感じられ、しばしその家具などに見入ってしまうことになります。

座卓の裏には、「昭.38.7.11.」とマジックで書かれていました。昭和38年ですから、今から50年近く前になります。その年は、北陸がまれに見る大雪に見舞われた、いわゆる「38(さんぱち)豪雪」のあった年。今のように、物が豊富でない時代、苦難の年にどんな思いで、この座卓を購入されたのでしょうか。
座卓は長い年月を感じさせないほど、表面はすべすべして、きれいなのですが、これも大切に使われたからでしょう。物は、単なる物に終わらず、この町家では当時使った人の暮らしの息づかいをも感じるのです。
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