これは、私どもが参画する異業種交流グループの体験活動の一環として行ったものです。食文化が豊かな石川の地に生きる者にとっては、発酵食への理解を深める良い機会になりました。
(フグの子の粕漬け作業を体験)

(容器にうず高く積まれたフグの子)

(傍らでは女性従業員がサバの糠漬け作り)

(出来上がったサバの糠漬け)

会場のあら与さんの工場は、美川漁港のすぐそば。藩政時代の北前船の海運に起源をもつというフグの子の粕漬けは、海を間近に見ていると、さもありなんと思ってしまいます。
工場では最初に荒木敏明社長さんから、その歴史やフグの子の粕漬けの成り立ちについて説明を受け、体験に臨みました。私は、撮影係に。
(荒木社長さんが一行に説明)

係りの男性の指導で体験はスタート。丸いポリ容器に酒粕を左官職人が使うような鏝(こて)で平らに塗り広げ、その上に手でフグの子を載せていきます。フグの子は隙間を作らないように、きっちりとはめ込んでいきます。パズルのピースをはめ込むような要領です。
それを交互に行い、その粕漬けの層は、だんだんとうず高くなっていきます。
単純作業のようですが、どうすれば上手にフグの子をはめ込むか、均等に酒粕を鏝でならすかに注意を払っていると、時間はあっという間にたちます。そして、粕漬けの層がポリ容器のすれすれまできたら、出来上がりです。ざっと一時間近くかかりました。
(賞味したフグの子のお茶漬け)

この後、あら与さんの本店カフェで、フグの子のお茶漬けを味わいました。実際に粕漬け体験をした後だけに、そのお味は、格別でした。
お土産としてフグの子の粕漬けが付いてきます。
フグというと、猛毒のイメージがあり、素人は容易に手を出せないところ。しかし、粕漬けなどとして1年以上寝かせると不思議と毒が抜けるのだとか。そのため、この発酵食は「禁断のグルメ」と呼ばれています。
地元の風土に根づく発酵食品を丸ごと体験したひと時でした。
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