その卯辰山。この度、別の表情があることを知りました。中腹に花木園があり、そこには、満開を迎えたツツジの花が広がっていました。驚きと感動と。大型連休(GW)の合間を縫って訪れたその地は、静寂の中に、ひと際光彩を放つ花園でした。
(山肌一面に広がるツツジの花園=卯辰山・花木園)


コロナの終息を告げるような、ここ金沢への大勢の観光客の方々の入り込み。忙しい毎日となっていますが、一息つきたくて私どもは、昼下がりふらっと卯辰山へと出かけました。
駐車場に車を留めて、どこへ行くという当てもなくそぞろ歩き。そうした中で出会ったのが、山の斜面に広がるツツジの群生でした。聞けば、12品種、約8,000本のツツジが植わっているのだとか。赤、ピンク、白などの花々が、新緑の中で鮮やかです。
カメラに収めることに迷いは、ありませんでした。
卯辰山ほど、幾多の表情をもつ山は、ほかに知りません。
かつてヘルスセンター、サニーランドのような大衆娯楽施設があり、今は、健民公園や相撲場が、健康・スポーツ施設として、広く県民に親しまれています。また花菖蒲園は、初夏に谷間一面を色とりどりの花しょうぶで彩ります。
このほかでは、愛宕神社などの卯辰山三社と呼ばれる神社や、夏の四万六千日の風習で知られる古寺・観音院。
若きアーティストの研鑽の場になっている卯辰山工芸工房もあります。
鎮魂の場としては、明治維新前後の混沌の中で金沢において幽閉され、命を落とした人を弔う「長崎キリスト教殉教者の碑」や、第二次大戦時で非業死を遂げた若き女性を慰霊する「殉難おとめの像」、また医療の発展に身を捧げた人に感謝の念をささげる「金沢大学医学部解剖体墓地」もあります。
緑と花の季節を迎えましたが、城下町金沢は、様々な歴史やエピソードを内蔵しており、そんな経緯にも思いをいたしながら、日々の暮らしを営んでいます。
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