この度お付き合いのきっかけを頂いたのは、京都に本部事務所がある、古材文化の会の方々です。この会のメンバーさんたちのお泊まりを通じて、私にとっても木質文化が根付くこの金沢の街への理解が深まりました。
(お泊まりになった古材文化の会の方々)

古材文化の会は、古材の利活用や古建築の保存・再生の推進、木造建築技能の継承などの活動を展開されています。
今回お泊まりになったのは、関西在住のメンバーのほかに、神奈川県内の方もいらっしゃいました。
工務店の経営者や企画会社などを営む方々です。
お泊まりの夜は、ざっくばらんに懇談。私の方からは、ふだんから行っている地域とお客様をつなぐ取り組みのほか、近隣の町家の動向についても紹介させてもらいました。
(通りに点在する町家=横山町、材木町界隈)


翌朝は、お客様を町家のパン屋・森長さんまで歩いてご案内。
あかつき屋近くの賢坂辻交差点から横山町、材木町、橋場町を通って浅野川大橋たもとに至る通りは、今も町家が点在しております。その沿道には、八百屋さんや豆腐屋さん、床屋さんなどのほか、畳屋さん、建具屋さん、設備工事屋さんなど、職人さんの住居兼店舗もあり、往時この界隈では、暮らしに困らないだけのお店がそろっていたことがうかがえます。
ただ、少子高齢化に伴う人口減少の波からは免れず、新築住宅がある一方で、ところどころに空き家跡の更地や駐車場が目に入るのも事実です。
お客様は、そうした変化も見逃さず、旧市街特有の問題の解決策に思いをめぐらすふうでもありました。
私も町家宿を営む一方で、この界隈の生活者でもありますので、時に断腸の思いで良質な景観の喪失を目の当たりにしてきました。
北陸新幹線の開業は間違いなく城下町金沢のエポックをもたらしましたが、一方で長年横たわる課題があるのも地域住民らが認めるところです。
古材文化の会の方々との交流は楽しいものでしたが、そうした問題をも再認識する機会ともなりました。
皆様ご宿泊ありがとうございました。
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