大寒が過ぎて、二月の立春頃までが一番寒い時季なのでしょう。それまでは我慢、我慢と自身に言い聞かせながら、家周りの除雪に精を出しています。
(雪にけむる金沢駅・鼓門付近)

それでも、雪景色にはっとする瞬間があります。雪の降り方、空模様、日の差し方一つで、周囲の景観と相和して、予期せぬ美しい風景と出会うことがあるのです。今日、昼頃、金沢駅に出た時がそうでした。
駅舎の外側に、鼓門が他を圧するようにそびえています。その両脚の合間からは、雪にけむる駅前通りがかすかに見えます。
駅広場に配置された松の木々は、雪吊りが施されており、降る雪の中にあるそれらは、一幅の水墨画を見るよう。
人が盛んに行き交う駅構内とは、好対照の風情でした。
(あかつき屋の軒下にできたつらら)

記録的な寒さは、あかつき屋に稀有な美景を生み出しました。瓦屋根の下に、いくつも長いつららを垂らしました。長さは50センチほどのものも。水滴が下に垂れるにしたがって、その足を延ばしているようです。
背後の格子戸や雪囲いと漆喰の白壁との間で絶妙なハーモニーをつくっています。これも金澤町家の魅力の一つでしょうか。
(青空の下、鮮やかな雪吊りの松)

お庭では、雪吊りの松が、ひと際鮮やか。青空がのぞいていた時なので、枝についた雪が光っていました。
かた時ですが、お庭に注いだ日差しを目にすると、春はそう遠くないのでは、と思いました。
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