いくらここは商売を営む場所と思っていても、周辺の方々からすれば、その外見から住居としか見えません。今ここで看板を掲げた途端、事業を行う場所ということが外にも鮮明になり、緊張感が生まれるとともに、ある種の高揚感もありました。
(兼六大通り側のメーン看板)

(クスリのアオキさん側のサブ看板)

看板は、兼六大通り側と、クスリのアオキさん側の2個所の壁面に付けました。製作に当たっていただいたのは、リーズナブルの料金でいい仕事をされるということで、達磨堂看板(能美市)さんにお願いしました。
看板については、できるだけ手作りで行おうと、あかつき屋の題字は、妻が毛筆で書きました。材料の板については、クスリのアオキさん側の小さめの看板は、この町家の屋根裏部屋に残っていた板を使い、大通り側のメーン看板は、達磨堂看板さんに厚手の材料を探してもらいました。
題字の字の配置により、看板は正方形になりました。メーン看板は70㌢四方とそんなに大きくもないのですが、正方形という形がユニークなせいか、大きさ以上に存在感がありました。
達磨堂看板さんには、地板への下塗りや漆を材料にした字の塗り付けなどを上手にやって頂いたおかげで、背後のこげ茶の板壁とマッチし、良い仕上がりになりました。
看板を掲げることによる気持ちの変化は、どう説明したらいいのでしょうか。それは、生まれて間もない自分の子どもに名前を付け、役所に届け出る感覚とでもいうのでしょうか。
胸に温めてきたものを世間に提示する。そこには、生みの喜びがある一方で、これからしっかり育てていかないといけないという責任感も生まれます。ネット上のブログで書き連ねているのとは、全く別の次元ですね。

試みにのれんも吊るす
達磨堂看板さんには、玄関に掲げるのれんの取り付け器具も作ってもらいました。趣のある木製の器具で、試みにのれんを下げると微風に揺られ、いい雰囲気を出していました。
いくら兼六園から近いとは言え、この界隈は基本的には下町風情を残す住宅街。それが築80年の町家に看板と、のれんを掲げると、一気にムードが変わり、ここが観光地になったみたいでした。
スポンサーサイト