そんな中にあって、一服の清涼剤となる光景と出会いました。ひがし茶屋街を歩いていた時のこと。空を切って、古い建物の軒下を行き交うものがあります。近づくと、ツバメでした。軒下に作った巣の中でひしめく子ツバメに餌を運んでいるのでした。
黄色いお口を開けて、チュンチュンと鳴いて、餌を求める赤ちゃんツバメたち。その一羽一羽に瞬時に餌を与える親ツバメ。そぞろ歩く観光客たちをも和ませていました。
(口を開けて親鳥からの餌を待つ子ツバメたち)

(ツバメが行き交う、ひがし茶屋街)

ひがし茶屋街のツバメの飛来は、地元の人たちにとっては、おなじみのこと。心優しき人たちは、その生き物たちの営みをおおらかに受け入れ、巣の下にフン受けの傘を逆さに吊るしたり、床にビニールシートを敷いたりしています。
ツバメとの共生を図る日暮らしです。
この日私たちが目にしたツバメの巣は、隣のお店の人が、日頃から観察しているらしく、ひとしきり説明してくれました。いつ巣ができて、どんな頻度で親ツバメが餌を運んでいるのか、等々。観光のお客さんだけでなく、小さき生き物にも、温かな視線が注がれているのです。
(金属線のようなものの上で佇むツバメ)

道をはさんだお店の軒下にもツバメが一匹いました。そのツバメが留まっているのは、ピアノ線のような細い針金状のようなものでした。お店の人が据え付けたようです。
のんびりと、安らかに佇む姿。野鳥と人が交わり、つくられる営み。かけがえのない場に居合わせた心境になりました。
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