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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

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ふすま、透けるの防ぐ「大福帳」

町家のリニューアルも大詰め、今日は瀬田表具店さんによって、ふすま戸と障子戸が納められました。
一昨日床板に畳が敷かれると部屋全体が明るくなった印象がありましたが、今日はふすまと障子戸が据えられると、部屋に品格と落ち着きが生まれました。
そのふすまに、これまた面白いものが隠されている、というのです。それは、昔商店などが取引の結果を筆で記録した大福帳の和紙でした。

(ふすまを据えつける瀬田さん)
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瀬田表具店さんはこの日、納品にご主人と息子さんの2人で町家へ来られました。
1階、2階の各部屋の戸口において、真新しいふすま戸や障子戸を左右に揺らしながら、戸の滑り具合を確認して納めていきました。中には、滑りが悪いところがあれば、戸の上部や下部をかんなで削って微調整を行っていました。かんなや作業を行うシートなどを持参されているところを見ると、こうした作業は日常的なものと見えました。

(納められた障子戸=左と、ふすま=右)
syoujido.jpg fusumasub.jpg

肝心のふすまの柄についてですが、瀬田さんがおっしゃった通り、無地がしっくりしたと感じました(11月30日付ブログをご参照下さい)。確かに、草花などの模様があるより、無地の方が上品な雰囲気になりました。
率直な印象を言わせて頂きますと、ゲストハウスは一般に素泊まりの簡易のお宿とされているのですが、土壁やふすま、障子、畳などがつくり出す雰囲気は、かなり上質なものになったのでは、ということです。

お越しになったお客様には、このような部屋のしつらえを楽しんで頂くとともに、それに合った過ごし方をしてもらえれば、お部屋も喜ぶのではとの思いが生じました。

(ふすまの中に入っていた大福帳の紙切れ)
daihukuchou.jpg

さて作業中、瀬田表具店のご主人が、ビニール袋を手に、にこにこしながら私のところにやって来ました。袋の中身を見ると、紙切れがいっぱい詰まっているのです。
「これは、大福帳の紙切れで、(リニューアルする以前の)2階のふすまの中に入っていたんですよ」と瀬田さんは、おっしゃいます。
瀬田さんは、こう説明されました。

白っぽいふすまは、光を通し、向こう側が透けて見えるのだそうです。それを防ぐためにふすまの中に、下張りとして紙を入れる場合が多く、その中でも、大福帳の紙を使うことがあるというのです。
「中に入れる大福帳の紙には、字が書いている方がいいんです。黒い字の方が、光をよく遮ってくれるんです」。瀬田さんは例のゆっくりとした口調で話されました。

私はビニール袋を開けて、中に入っている大福帳という紙切れを広げてみました。
筆で走り書きしてあるため、判読しにくかったのですが、「一俵」という語句のほかに、「田中」などの名字が書かれていました。

最後の最後まで、謎めいた宝物と出くわす町家のリニューアル、その語り部(表具屋さん)ともふれあうことで、改装工事という域を超えて、味わい深い雰囲気に包まれています。











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コメント

No title

なんとも奥深いですね。
見えないところにも、こんなにも愛情がかけられ、大切にされていた証があちこちに感じられます。

  • 2010/12/18(土) 10:36:40 |
  • URL |
  • ちびまま #-
  • [ 編集 ]

見えないところに工夫

見えないところにいろいろと工夫がされているんですね。

ふだんの生活にも心がけたいものです。

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