周辺の風景の色彩がトーンを落としていく中、屋根は雪の白と瓦の黒が好対照を描き、金沢に冬の到来を告げました。

北陸特有の湿った雪が降ると心配されるのが、庭の植え木の雪折れ。しかし、この町家は、大丈夫。先日、友人のSさんが、ボランティアで雪吊りを施してくれたからです(12月1日付ブログをご参照下さい)。
この日は、松の枝などに雪が積もるほどの降り方ではなかったものの、均整のとれた雪吊りは、激しく雪が降ったとしても、松や槙の木を危なげなく守ってくれると確信しています。

家周りは、家主の守備範囲。スコップなどをそろえて、さらなる降雪に備えました。
夕刻、真新しい畳が敷き詰められた町家の中で、作業に当たりました。その時改めて、部屋の空気の質感の違いを感じました。土壁や木の柱、格子などに囲まれているせいでしょうか、冷気も加わって、清澄な大気が辺りに満ちていました。
前の広済寺さんからかと思われる笛の音も聞こえてきました。
町家は、静かに深く、冬の中へ入っていくようでした。
スポンサーサイト