畳搬入の作業を終えた倉西畳店のご夫妻としばし歓談、ゲストハウスオープン後のことにまで話が及び、楽しいひとときとなりました。
(部屋に畳を敷き詰める倉西畳店のご主人)

ここしばらくの不順な天候のため、倉西畳店さんは、畳の運び込みには気をもまれたようです。新品の畳を雨に濡らす訳にいかない上、軽四トラックには畳を運ぶ数にも限りがあるため、何回も往復して畳を町家に運び込まれました。
倉西畳店のご主人は、搬出時に畳と畳の間ですき間がないかどうかなど、きっちり計っていかれたので(10月27日付ブログをご参照下さい)、持ち運んだ畳はどれも部屋にぴったりと納まりました。
電話、ファクスなど通信関係の配線も歩行の妨げにならないように、線は畳の端のすき間に通すなど、上手に配置して下さいました。
(部屋にきれいに敷かれた畳)


すべての畳を納入されてほっとされたのか、倉西さんご夫妻は、まだふとんも掛けられていない掘りごたつに足を入れ、しばし私とおしゃべりすることになりました。
畳の掃除の仕方についてアドバイスを受けました。
真新しい畳は、「泥」が付いているから、水を固く絞った雑きんでふけばいいけど、その後は乾(から)拭きしてください、とのことでした。
新品の畳に「泥」が付いているというのは、畳表の製造において、その材料になるイ草を泥染めする工程があるからです。新しい畳は、表面にほこりっぽく泥が、残っているからです。
しかし、イ草でできている畳表は、いわば生き物のようなものであり、多少水分を含んでいるため、ふだんは乾いた雑きんで、拭かれるといいということでした。
また、お茶を出した後の茶殻を使って掃除をする方法も教えて下さいました。
茶殻を畳の上にまいた後掃くと、茶殻が適度に水分を含んでいるので、ほこりが舞い上がらないそうです。
また、イ草栽培の北限と言われる小松の畳表についても話題が広がりました。イ草の栽培から始まる畳表の製造は、足掛け2年に及ぶ上、その仕事も重労働のため、後継者が激減し、「今、畳表を作っているのは、(白江の)宮本さんぐらいかな」(ご主人)ということでした。
イ草が寒冷地で栽培されることから、小松表は丈夫で長持ちするとの定評があり、高級品に位置づけられています。それが今は、生産の担い手がめっきり少なくなっており、残念なことです。
ここがゲストハウスとしてオープンしてからについても、おしゃべりすることに。
「気軽にお茶でも飲みに来れるといいね」と奥さん。
「いつでも寄って下さい」と私。
「田舎風の家の置物がうちにあるから、(町家に)持ってきましょうか」(奥さん)等々話は尽きず、外はいつの間にか暗く。
奥さんは「保育園に通う子どもを迎えに行かないと」と、ちょっとあわてた様子。と言いながら、さらに30分ほど楽しい会話は続きました。
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