「夏は夜」「秋は夕暮れ」。清少納言の枕草子を引くまでもなく、北陸・金沢の天空にドラマチックに広がった風景は、心を少なからずときめかせるものでした。
(夜、黒い瓦屋根の上に浮かんだ満月)

8月の終わり。夜、浅野川界隈をそぞろ歩いていた頃。東の空に満月が浮かんでいました。煌々とした光を放っています。
その下には、金沢ならではの黒瓦の家が並んでいます。瓦屋根は、その光を受け、白っぽく輝いています。
日中が、厳しい暑さだっただけに、ほっとする光景。浅野川からの、さわ風も加わり、火照った心身を鎮めてくれるようでした。
9月に入り、ある日の夕暮れ時。あかつき屋の中高年のお客様グループが夕食に出かけるため、玄関を出た途端、留まっています。そして、歓声が。
私も外に出たところ、見事な夕焼け空が、西の兼六園方向に広がっていました。
(あかつき屋の前で広がった見事な夕景)

青空と、たなびく雲と相まって、何とも言えない景観をつくっています。兼六園の上空は、火が焚かれたように明るく、そして、空はこちら側に向かって、照度が落ちるのとともに、繊細に色を変えていきます。天空の絶妙なグラデュエーションです。
新型の感染病により、世にどことなく漂う不安感をも忘れ、しばし、大自然の恩恵に身をゆだねた時間でした。
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