そこは、あかつき屋から歩いてすぐの横山町バス停のそば。兼六大通り(国道)の歩道です。
近づいてみたら、明るい照明の下、道路工事ではなく、太いパイプから水が噴き出している光景でした。水は、勢いよく、長四角の水槽に落ち、その付近には、作業員が数人立って、水の状態を見ているようでした。そばには、トラックが止まっていました。
不思議に思ったので、男性作業員に話を聞いてみました。実は、この作業、冬場、道路に積もった雪を溶かす消雪装置の点検作業なのでした。
(地下200㍍から汲み上げられる水)

作業員によると、これは、国道を管理する国交省の委託によるものでした。
ここの消雪に使う水は、地下水を使っているのだそうで、ここでは地下200㍍ほどの地点から水を汲み上げているのだそう。水量は豊富で、1分間に1,400㍑の水が放出されるのだとか。その言葉通り、パイプから音を立てて水が出て来ていました。
地下深いところから水を汲み上げるので、水を通す管も経年変化はないと言えません。そのため、管の劣化や損傷などで、水に砂が混じっていないかなど、チェックは欠かせないのです。水の状態を観察して、消雪装置が正常に稼働しているかを確認するのです。
(作業員が黙々と仕事に当たっていました)

実はここでのこの点検作業、消雪装置を敷設しておよそ40年が経過して、初めてのものだそうです。確かに、これまで道路の修理や線引きなどでの作業を目にしたことがありましたが、人が寝静まる頃に、汲水ポンプの動力装置音とともに、水がしぶきを上げて落ちる風景など、見たことはありませんでした。
本格的な夏を迎える前のこの時期に行われる、消雪装置の点検作業。おそらく関係者しかその意味を知らないであろう、夜なべ仕事。
熱気が残る初夏の深夜に、静謐を破る機械音とともに、パイプから次から次へと吐き出される太い水の風景が、妙に心に残りました。
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