この越前海岸。美しい海辺の風景とともに、もう一つビッグな特産品がありました。それは、カニ、中でもズワイガニです。漁港を有する越前町は、福井県内でもトップクラスのカニの水揚げ高を誇り、県内外にその名をとどろかせています。
その名物にふれないわけには、いかない。カニの博物館を訪ねて造詣を深め、カニ料理店で地元ならではのカニの調理について新たな知見を得ました。
【越前がにミュージアム】
(漁村風景を模したジオラマ)

(生きたズワイガニがいました)

ズワイガニは、日本海の冬の味覚の代名詞にされるほどに、私たちの身近にあります。でも、同じ北陸でもその呼び方が異なり、石川県は加能ガニと言い、福井県は越前ガニと呼びます。同じ海産物ですが、おらが海ならではの幸であると主張するようでもあります。
そのカニについて、多角的に紹介する博物館が越前町にあります。越前がにミュージアムです。建物は、カニが足を広げたような形をしています。
そこでは、カニの生態のほか、地元のカニ漁の歴史や、カニを生業とした漁村の暮らしぶりなどを幅広く展示しています。もちろん生きたズワイガニも紹介。カニ専門の博物館では、北陸随一の規模と内容と言えます。ここで改めてズワイガニついて見聞を広げました。
その後は、思い切ってカニ料理のお店へ。訪れたのは、蟹かに亭です。カニ料理専門店が軒を並べる中にありました。
店内は、カニシーズンとあって、既に大勢のお客さんがいました。
(お店の方が手際よくカニの身を出して下さいました)

出されたカニはゆで上がったばかりのもの。さすがに本場とあって、美味でした。
ここで、新しいカニの食べ方を教わりました。カニの足とカニ味噌などを取り出し、それらを大根おろしと混ぜ合わせます。これをどんぶりのご飯の上にのせて食べるのです。
(地元に伝わる漁師飯のどんぶり)

スタッフの女性が言いました。「これは、昔からここで伝わる漁師のまかない飯なんです。おいしいですよ」。漁師の家で生まれ育ったという、その年配の女性。はさみでカニ足を根元から切り、カニ足の身を殻から取り出す金属製の細長い器具を使って、つややかな、それを手早く出して下さいました。熟練の技です。
実は、今冬初めてのカニの食事。その濃厚な味に酔いながら、越前海岸を五感で堪能する日帰り旅となりました。
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