山口さんは「瞬間の彼方には永遠があって、僕はその永遠を描写する」との思いを胸に、近年、抽象性のある作品に取り組んでいます。その制作は、染料や岩絵の具、胡粉などと火薬を材料にして、これらを実際に点火させて、瞬間的に光が走った痕跡を作品にするという、独自の技法を使っています。
その作品は、神秘性と透明感のある作風となり、これまでには、兵庫県内の寺院の天井画などに採用されています。
(ひがし茶屋街。通りの奥左側に一笑さんがあります)

(一笑さんで展示された山口さんの作品)


一方、絵画の基となる紙にも興味をもち、和紙制作に挑戦。加賀市の山間の集落で、自ら山に入って採取した野生の雁皮と湧水を原料として、紙すきも行いました。根源的なものを追求していこうという姿勢の一環です。
(作品について語る山口さん)

金沢では、初めてとなった山口さんの個展。会場では、神々しさを感じさせる作品約30点が並んでいます。しかし、その作品は、様々な色が溶けあい、どこかモダンな趣もあります。
会場では、山口さんが最近高野山(和歌山県)の穴窯で焼き上げたお茶碗や菓子皿約20点も紹介されています。
山口さんは、4月27日午後5時半から「一笑」さんにおいて「またたきの茶会」を開き、来場者と対話の時間をもつ予定です。茶会では山口さんが手作りした茶器が使われます。会費は2,000円(税込)で、詳しくは一笑さん☎076-251-0108へ。
なお、この作品展の入場は無料で、今月29日まで開かれています。
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