自分が良いと思ったものに付せんをつけ、見てもらったのですが、ご主人は「模様のあるものは、今ははやらない。無地の方が高級感がありますよ」とあっさり言われました。
(ふすまの柄の見本)

私は、1階は無地系でいき、2階は雲や草花などの模様をあしらったものにし、少しメリハリをつけようと考えていたのですが、瀬田さんは「模様が付いたふすまは、安っぽく、いい部屋に見えません」と、簡単に言われました。
そして、様々なふすま柄の見本帳を見せて下さいました。それを見ると、ふすまの雰囲気は、模様より生地の質や色で決まるように見え、その中では富山県の「城端ツムギ」という銘柄が、上質な風合いがあり、ひときわ光って映りました。
ただ、もとより値段も考慮しなければならず、そこら辺も加味して、柄と生地を決めることにしました。アドバイスを踏まえて、無地でいきます。
(左が1階のふすまの枠の角、右が2階のふすまの枠の角で丸くなっている)


瀬田さんは、障子やふすまに関する良き先生です。今リニューアル中の町家のふすまについて、貴重なコメントを頂きました。
2階のふすまは、立派なお座敷があることから、高級な和紙を使っていることに加え、真ん中の障子の外枠にも違いがあるのだそうです。
「1階の障子の外枠の角は、角ばっているのに対して、2階のふすまは、角が丸くなっているでしょ。これはそれだけ、ぜいたくで凝った造りになっているんです」。
これまで全く気づかなかった点で、ただただすごい、とこの家の以前の居住者に感心するばかりでした。
さらに、ふすまの維持・修繕方法についても、豆知識を提供して下さいました。
ふだん掃除機などを動かしていると、ふすまを傷つけやすいので注意が必要であるとした上で、ふすまの黒い外枠を傷つけた場合の応急処置については、こう言われました。
「はげた部分は、油性の黒のマジックを塗れば、カバーできますよ」。
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