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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

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初フルマラソン 「なんとか完走。」

(前回のつづきです。)
2017年10月29日。私にとって、生涯忘れ得ぬ日になりました。初めてフルマラソンの金沢マラソンに出場し、何とか完走できました。雨の中のレース、けっしていい条件とは言えない中、どうにかゴールにたどり着けました。

初のフルマラソン、あかつき屋のお客様と一緒に出場、そして、終始雨の中、と初物づくしのため、これまで味わったことのない達成感と感慨がありました。タイムは納得がいくものではありませんでしたが、これを踏み台にさらに上を目指します。
「アラカン・ランナー。まだまだこれからです」。

(金沢マラソンのコースマップ=ホームページから)
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今回の金沢マラソンは、3回目の応募で初めて当選して出場が決まりました。仕事の合間を縫って練習、ここ1カ月ほどは、20㌔ほどを2回、30㌔余りを2回ほど走ってレースに臨みました。

一番心配されたのは天候。ちょうど台風22号が日本列島に接近している中での大会だったので、不安の中で本番を迎えました。

朝午前8時50分に広坂通りをスタート。私は後方、旧県中央公園の大和側にいたので、ピストルの音は聞こえませんでした。幸い雨は降っていませんでした。

民族大移動のように、大集団がゆっくりと移動。金沢城を周回し、橋場町、武蔵ケ辻、香林坊、片町と通り、犀川を渡って寺町台に入りました。

比較的快調なラン。泉野方面へ曲がる交差点で、友人が私を見つけて下さり「頑張って!」と声援を受けました。勇気百倍、気持ちを新たに、泉丘高校方面へと足を進めました。

ところが、窪の交差点付近から雨が降り出しました。「やはり天気予報通りか」。まだ3分の1も走っていない中での降雨に、先が思いやられました。

山側環状の大通りに入りました。思ったほどアップダウンは気にならず、足にこたえるほどでもない様子。ただ、雨脚が強くなり、簡易合羽を着ていたとは言え、体が随分と濡れてきました。「やばいなー」。快適な感じは、遠のきました。

野田山丘陵から杜の里へと至るまでにある二つのトンネル。ここは暗がりですが、それより雨をしのぐ場所となりました。「雨に濡れないで済む」。いっときのオアシスとなりました。

杜の里に出て、イオン横を通り、丸亀製麺の交差点を左折して、天神町方面へ。相変わらず雨はやまなかったものの、あかつき屋や自宅に近いこともあって、なぜかほっとした気持ちに。

歴史的な街並み・こまちなみの中にある、越吉のお魚屋さん。女将さんが、ボランティアでエイドを設けており、自家製のイワシのコンカ漬けを出しておられました。一口サイズにしてあり、本当にうれしい心遣いです。

自宅前では、いったん一息つき、家族の応援を受けて、雨の中を再スタート。手作りの応援プラカードまで出してくれて、元気が出ました。

(走り終え、頂いた完走証とメダル)
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「いったい、いつになったら雨がやむんだろう」。そんな思いを胸に、兼六園下、ひがし茶屋街、鳴和、神谷内交差点辺りまで走り続けました。

しかし、疋田町の北陸自動車道高架下を過ぎた辺りから、体が重くなってきました。疲れに加え、雨で体が冷えてきたのが、影響してきたらしいのです。
「まだ半分を過ぎたばかりなのに」。気持ちが暗くなってきました。市街地を過ぎ、田んぼが目立ち始め、ちょっと寂しい風景。「どうやって後20㌔ほど走れば、いいんだ」。自分自身が不穏な雰囲気に包まれてきました。

木越団地の真ん中を抜け、左折して再び田園風景のコースに。コースマップでは「白山連峰を望む田園ゾーン」と銘打れているのですが、山は雨雲で隠れ、一帯は雨雲の下。雨は止まず、爽快さとは、ほど遠い風景です。

どうやって、次のポイントであるJAほがらか村(松寺町)まで、たどり着こうか。体も疲弊してきた頃で、この付近から、途中歩いたりしていました。そんな時です。

「ファイト!」「頑張れ!」と、交互に繰り返す女性の声が聞こえてきました。進行方向右側にボランティアの若い女性が、こぶしをつくった右手を上げ下げしながら、力強い声で応援してくれているのです。
この雨の中、ありがたい。僕らは走っているけど、この女性は、一か所に立ったまま。なお、大変でしょう。
思わず「ありがとうございます!」と声を返しました。

雨の中、ひたすら走り、そして、歩く。そんな繰り返しで、30㌔ポイントの城北市民運動公園に着きました。ここには、大勢のランナーの列がありました。給水や給食などのサービスがあるステーションがあるからです。
金沢カレーの配給があり、足を止めました。

驚きました。紙コップの中には、一口サイズですが、ご飯の上にカレーがかかり、その上にカツも載っているのですから。一気にほおばりました。

さらに驚きました。お腹に入れただけで、元気が出てくるのです。濃厚なルーが、利いているのは間違いないです。食べる前は、多少疑念を抱いていたのですが、こんな場では、最高のエネルギー源になるんですね。地元のグルメを見直した瞬間でした。

さらに、足を進めて金沢駅西側に。ここから県庁まで続く50㍍道路です。延々と続く広い道。気が遠くなりそうです。
でも、沿道からの応援は熱く、雨で冷えたわが身を精神的な面で随分とホットにしてくれます。県庁までの間にある数か所で水やスイーツを手に取り、5㌔ほどあるこの直線路をしのぎました。

県庁を左折し、金沢西高校のわきを通り、金石街道へ。雨はさらに激しくなってきましたが、沿道の応援は、熱を帯びていました。この界隈はあかつき屋からは遠いところにあるので、友人や知り合いを見つけることもありません。
沿道には、焼肉屋さんやラーメン店、スナック、コンビニなどが並びます。「どんな味のお店なのかな。いいお店なら一度行ってみたいな」などと心に思いながら、我慢の走りを続けました。

金石街道を過ぎて、後数㌔。雨は衰えるどころか、さらに強くなった感がします。身体はびしょ濡れ。
「こりゃー、体を壊したかな」。半分以上覚悟しました。

でも、沿道の熱い応援は続き、それに元気づけられて、何とか犀川を渡りました。
「もう少しだ」。自分を励まし、何とかフィニッシュ地点の県西部緑地公園陸上競技場にたどり着きました。

競技場に入りました。そこは、熱気に包まれており、民放局の男性アナウンサーの声が響いていました。無事にゴールイン。
タイムは、目標の5時間台を大幅に超え、6時間余りとなりました。

初のフルマラソンで、この雨のコンディションだから、記録の評価は難しいところ。とにかく、42.195㌔を全うしたのだから、まず良しとしよう、と思いました。

振り返れば、雨がなければ、長坂台・野田山丘陵や駅西50㍍道路の街路樹の紅葉をもっと楽しめたかもしれません。
でも、それより、地元金沢の人の損得抜きの応援や、適切に配置されたお水やスポーツ飲料、さらに各種スイーツや練り物、いなり寿司などの食の配給サービスは、この悪条件を吹き飛ばすほど、心温まるものでした。
最後に声を大にして言いたいです。

「ボランティアの方々を含め、大会関係者の皆様。沿道の皆様。本当にありがとうございました。金沢マラソンは日本一のマラソン大会です!」

このマラソン大会は、私をちょっぴり成長させてくれたようです。

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