「ちえ」「純子」「ゆき葉」「夕子」「まり千代」…。花びらが集まって一つの花をつくるように、うちわが白い花のように見えました。

この日、西検番事務所では金沢市主催の講座「金沢くらしの文化再発見 茶の湯のもたらしたもの ~金沢のくらしと文化的景観~」が開かれたのでした。この検番事務所は大正ロマンが漂う建築物で、国の登録有形文化財になっています。それだけに、一度中に入ってみたいと思っていたのでした。
(にし茶屋街と西検番事務所)


検番事務所はふだん芸妓さんの稽古場や西料亭組合の事務所として利用されているところ。建物の雰囲気といい、掲示板に書かれている内容といい、いかにも茶屋街の拠点施設といった感じです。
玄関の壁に据えられたうちわに記された芸妓さんたちは、にし茶屋街では第一線で活躍されている方々でしょう。
ただ、この花街は日中散歩がてらに通ったことがあっても、夜、玄関の敷居をまたいだことは一度もありません。
町家ゲストハウスにお泊りのお客さんが、そんな世界にふれたい、とリクエストされた時の対応方法は?
茶屋街は、金沢の魅力をつくる重要な要素ですから、そんな場合に備えておかないといけないですね。
なお、検番事務所けいこ場で開かれた講座では、北陸大学の小林忠雄教授が「金沢のくらしと文化的景観」と題して基調講演され、続いて、各分野の専門家4氏によるパネルディスカッションがあり、勉強になりました。