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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

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奥能登国際芸術祭を見に珠洲へ

芸術の秋、能登半島の先端に位置する珠洲市が、ホットな空気に包まれました。珠洲では初めてとなる「奥能登国際芸術祭2017」が開催されたのです。海辺や里山を舞台に、国内外のアーティストが数多くの意欲作を出展、珠洲の自然と市街地が、様々なアート作品で彩られました。

「さいはての芸術祭、美術の最先端」と銘打たれたこのアートの祭典。私たちは、あかつき屋の仕事の合間を縫って、会場を訪れました。予想以上に刺激的なアート作品の数々。珠洲への認識を新たにするとともに、この地が秘める可能性をも感じました。

珠洲は、金沢から車で2時間余り。この高速化の時代にあっては、日常気軽に足を運ぶことは容易ではなく、今も神秘性を内在した土地と言えるかもしれません。

(珠洲・飯田の旧映画館スメル館への通路)
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(入り口は、若い人らで混雑)
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(一階壁面には、懐かしい映画のポスターが並ぶ)
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珠洲市内に在住する私たちの友人ご夫妻の案内で、珠洲の中心市街地・飯田を訪ねました。メーンストリートには、商店街が連なっています。

お目当ての映画館の空き店舗を目指しました。そこは、昭和末期まで営業した「スメル館」です。ここも、創作の舞台となっており、国内のアーティストが「シアターシュメール」とのテーマで、一階のステージや客席を使って、作品化しました。

来館者は2階から見学。暗闇の中、天井から珠洲名産の珪藻土の粒子が舞い落ち、これが調度類に降りかかります。映画館と能登の時間の経過を表現しているのだそう。
映画館にいるというより、どこかのテーマパークに迷い込んだような感覚になりました。

映画館であることを意識したのは、一階通路に古いポスターが貼ってあったこと。松田聖子主演の映画や黒澤明監督がメガホンを取った「乱」のポスターなどは、その時代に戻ったような気持ちになりました。

(旧家を創作の場にした会場)
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(珠洲の風物を描いた大壁画)
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この映画館からほど近いところに、古民家を会場にしたアートスポットがありました。山林などを所有した土地の有力者のお屋敷跡とのこと。

ここは、金沢美術工芸大学の学生と先生方が協働したプロジェクト「スズプロ」の作品会場。室内の壁面には、「静かな海流をめぐって」と題した大壁画がありました。
学生らが珠洲の住民から聞き取った、これまでの暮らしや生業を絵画化したもので、「奥能登曼荼羅」の名が示す通り、宗教的な味わいがありました。

この古民家には、この家の蔵に残されていた膨大なモノを組み上げて作った「いえの木」という作品もありました。そこに詰められた数々の「お宝」から、その旧家の商いの様子や繁栄の跡をうかがうことができます。

日本の高度経済成長期が終わって、賑わいが後退したこの商店街ですが、今に活かされる原石が数多く残っているのでした。
                   (つづきます)
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