令和3年も最終日の大晦日。感慨に浸る間もなく、第一級の寒波に見舞われました。金沢は未明から雪が激しく降り、朝起きると、あかつき屋の周辺は真っ白に。身を縮めながら、一日をスタートさせました。
昨日からお泊まりになったお客様も、風景の様変わりに驚きながらも、落ち着いた対応を見せられました。というのも、北海道・札幌のご出身で、「札幌みたい」と感想を述べながらも、何と付近の除雪を手伝って下さいました。
大いに助かり、感謝、感激の思いいっぱいで、あかつき屋の一年を閉じようとしています。
(雪にけむるあかつき屋界隈)

(道産子のお客様が除雪を手伝って下さいました)

昨日に宿泊されたお客様は若い男性3人。札幌の高校時代の同級生だそうで、福井で観光された後、車で金沢入りされました。
朝目覚めると、辺りは真っ白で、乗ってきた車も雪に埋まっていました。
こちらがお願いするまでもなく、男性3人は除雪を買って出てくれました。スノーダンプで周辺の雪を移動させ、T字形の雪かきブラシを使って、車に積もった雪を払いのけました。その一連の動作は目を見張るもので、除雪道具の扱いはスムーズで手慣れたものでした。
「さすが道産子」と感心するばかりで、20分ほどで、あかつき屋に隣接する道路と駐車場は、すっきり、きれいになりました。
かぶら寿司でおもてなし年末は、あかつき屋では、一年の感謝を込めて、お客様に多少ですが、サービスさせて頂いています。その一つが、金沢の郷土料理のかぶら寿司の提供。料理上手の義兄が手作りしたものです。
一昨日は、東京からお越しになったご家族連れに、そして、昨日は札幌出身の若者たちにお出しました。
(お客様にお出ししたかぶら寿司)

東京のご一家は、おばあちゃんの喜寿祝いの家族旅行で、良い思い出になったとご家族は顔をほころばせ、道産子の若者たちは「(地元の)ニシン漬けよりうまいんじゃないか」と、福井で買ってきた日本酒と共に味わわれました。
お客様の笑顔にふれて、一年の幕を閉じようとしています。
今年あかつき屋では、シャワールームや洗面所、トイレなどの改築工事を行う一方、秋にはマイクロツーリズムの一環として市内の名園などをめぐる街歩きツアーを企画、実施。有意義な一年だったと振り返っています。
これも、お客様はじめ、地元の方々、金沢市、市観光協会等々、様々な人たちの支えがあったからと感謝しています。
皆様、新年もよろしくお願いいたします。
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いよいよ冬本番。北陸に本格的な寒波が到来し、間断なく雪が降る天候に。時折、鰤起こしと呼ばれる雷鳴もとどろき、その音が鳴るたびに体が揺さぶられるようです。
あかつき屋も一気に冬の風景になりました。雪吊りが施されたお庭は、木々が雪で白くなりました。雪は、そんなに重たくなく、風が吹けば飛散し、そして再度の降雪でまた白くなるといった按配。
寒いので、この風景を引き戸を開放して、ゆっくり観賞するという訳にはいきませんが、お客様には、片時でも見て頂ければ、金沢町家の冬を体感することになるのでは、と思っています。
(雪で白くなったお庭)

クリスマスが間近。あかつき屋では、その飾りつけを行い、お客様を迎えています。
コロナ対策のビニールカーテンに色とりどりのカラーボールなどを付けました。玄関の下足箱には、苔玉のわきに、きらびやかな球形や立方体のデコレーション、コミュニティルームの小机には、サンタさんが様々なポーズを取る置物などを据えました。
そのかわいらしさは、外の寒さを忘れさせてくれます。
(ビニールカーテンにクリスマス飾り)

(玄関の下足箱にも)

(ミニサンタが様々なパフォーマンス)

年が押し詰まってきました。雪の風情を味わいながら、この時季ならではの習わしを一つ一つこなしていきます。
この週末、リピーターの方らがあかつき屋にお泊まりになり、懐かしくも、うれしい時間を過ごさせて頂きました。そのうちの一組のお客様お二人については、お一人が仕事の関係で最近まであかつき屋の近隣にお住まいだった方。そのお連れ様は、以前ここにお泊まりになったリピーターさんでした。
お二人のこれまでの顛末をうかがっていると、偶然、奇縁が重なっており、何とも不思議な感覚になりました。時間がたっても、あかつき屋を心に留めて下さったお客様方。感謝の気持ちが胸の内に広がりました。
(お客様が撮られた朝のお庭。青空がまぶしいほど)

(お庭でくつろがれるお二人)

女性お二人は現在、愛知県内にお住まいですが、その内のお一人がそれまで2年間、あかつき屋の近隣に暮らしておられました。あかつき屋の活動をよくご存じで、昨年あかつき屋が企画、運営した
天神町街歩きをご存じで、それについても興味をもっておられたとのことでした。
天神町のこまちなみ通りでは、鮮魚店越吉さんについても、よく知っていらっしゃいました。
そのお連れ様は、6年前に、ここにご友人とお泊まりになりました。お泊まりの翌朝、朝食用パンの買い出しに森長さん(材木町)まで歩きましたが、「いいパン屋さんが近くにあっていいですね」とお二人。ドジョウのかば焼の浅田さんも大きな発見だったようです。
ご宿泊中は、この時季にしては珍しい快晴で、暖かな日差しを受けながら、緑豊かなお庭を楽しまれました。
(加賀毛ばりのアクセサリー作りをされました)

お二人はチェックアウト後、今度は金沢中央観光案内所で開かれた加賀毛針のブローチ作りの体験教室にご参加。他では、かなえられない伝統工芸の手作り品に満足されたようです。
海鮮鍋で楽しい一夜翌日お泊まりになった、もう一組の男性グループは、うちお一人が数年前にあかつき屋にお泊まりになった方で今回の幹事さん。近江町市場でカニや牡蠣、ホタテなどの海鮮物や野菜などを買いだされて、ここで海鮮鍋などを作られました。
和気あいあいの時間。ズワイガニは、値が張ったものの、冬の金沢ならではの夜を満喫されました。
皆様ご宿泊ありがとうございました。寒さが募ってまいりましたが、くれぐれもご自愛下さい。
金沢市観光ホスピタリティ研修(セミナー)が市役所第2本庁舎で開かれ、出席しました。テーマは「心に伝わる「おもてなし」+世界基準のホスピタリティ お客様のニーズを理解する」です。
一口にお宿業は、おもてなしが重要と言いますが、その在り方、所作はどうあるべきかは、お宿の形態や時代と共に変化が求められるもの。セミナーでは、専門家の話に傾聴しながら、私どものお宿あかつき屋のサービスを見つめ直して、お宿力アップに向けて気持ちを新たにしました。
(おもてなしをテーマにした観光セミナー)

基調講演とパネルディスカッションの二部構成で、基調講演では、ザ・キャピタルホテル東急の末吉孝弘総支配人が話されました。同支配人はホテルビジネスのベテランで、勤務するキャピタルホテルを2017年着任後から3年で五つ星ホテルへと発展させた方です。
いいホテルは総合力があると語り、おもてなしの要諦として、人間力、想像力、感性の大切さを強調されました。その中で、お客様とのコミュニケーションが大前提となると指摘されました。
また、ホテル館内では、アメニティ用品の置き方、デザインにも工夫の余地があるとアドバイスされました。
AIが世を席巻しつつある時代において、これらは機械に依存しにくい分野であるだけに、お宿のスタッフは、根気よく、常に繊細な注意力をもって、対処していかねばならないと感じたことでした。
この後のパネルディスカッションでは、末吉総支配人のほかに、観光業の専門家二人が加わり、意見を述べられました。
これまで私どもが考えてきたことや取り組んできたことと重なることが多々あり、改めてお宿業の方向性を確認した次第。
どんな仕事においても、これで十分ということはありません。思考や知識、行動の陳腐化やマンネリ化を防ぎ、毎日フレッシュな気持ちでお客様と相対すること。それを改めて心に誓ったことでした。
(会場となった市役所第2本庁舎)

それにしても会場となった市役所第2本庁舎の素敵なこと。初めて中に入りました。
昨年建てられた施設ですが、和風ホテルのよう。外観は格子戸をイメージしたもので、いかにも城下町金沢の建物と言った感じ。旅行者がよく「金沢の街はきれい」とおっしゃりますが、こんなところにも、それが見て取れると言ってよいでしょう。
先日、近江町市場を訪れました。今冬の漁の最盛期を迎えたズワイガニ(石川県では加能ガニ)を買うためです。
店先を赤い絨毯で覆ったように、ひしめくそのカニの一団。見る者に鮮烈な印象を与えます。
買い物客が手に取って買いやすいように店頭に並ぶカニのほかに、展示用の水槽に入ってゆったりと体を動かすカニや、店の奥で貯蔵用に佇んでいるカニなど、その在り方は様々。市場は、さながらカニミュージアムのようでした。
(近江町市場にズラリと並ぶ加能ガニ)

いつものことながら、加能ガニは、そのお値段が気になります。これは、需要の度合いもさることながら、海の状態にも左右され、時化が続くと漁は難しく、おのずから値段は、高くなります。
それでも、シーズン中は、その美味にふれたくなるもの。今年も、身体が小さめのメスの香箱ガニを食し、濃厚なお味のカニ味噌やカニ足に、北陸人としての幸を享受しました。
(展示用の水槽に入るカニ)

(店の奥で出番を待つカニ)
首都圏に住む息子一家や親族に贈る市場でズワイガニを毎年購入するのは、首都圏に居を構える息子や親族に贈るためです。金沢の冬の便りですね。
そして、日本海の冬の幸が無事届いたことが、ネット上の映像共有サイトで知らされました。
孫が「カニ、カニ」と目を輝かせ、それを手に取って持ち上げたり、前、後ろに向きを変えたりしながら、「お口はどこ?」「おいしそうだね」と昂奮していました。
(カニと遊ぶ孫=映像共有サイト「みてね」から)
昨年は、緊張した表情ながら「りん君(孫の名前)こわくないんだよ」と言っていたのと比べ、随分余裕がありました。孫は、明るく愉快に成長していってくれている様子。金沢で目を細めています。
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