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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

梅雨空に涼やか ツバメ行き交う

梅雨の季節は、観光はオフシーズン。コロナ禍もあって、金沢の街はいたって静かです。今月は、昨年に続いて金沢百万石まつりが中止になったこともあり、穏やかに毎日が過ぎていきます。

そんな中にあって、一服の清涼剤となる光景と出会いました。ひがし茶屋街を歩いていた時のこと。空を切って、古い建物の軒下を行き交うものがあります。近づくと、ツバメでした。軒下に作った巣の中でひしめく子ツバメに餌を運んでいるのでした。

黄色いお口を開けて、チュンチュンと鳴いて、餌を求める赤ちゃんツバメたち。その一羽一羽に瞬時に餌を与える親ツバメ。そぞろ歩く観光客たちをも和ませていました。

(口を開けて親鳥からの餌を待つ子ツバメたち)
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(ツバメが行き交う、ひがし茶屋街)
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ひがし茶屋街のツバメの飛来は、地元の人たちにとっては、おなじみのこと。心優しき人たちは、その生き物たちの営みをおおらかに受け入れ、巣の下にフン受けの傘を逆さに吊るしたり、床にビニールシートを敷いたりしています。
ツバメとの共生を図る日暮らしです。

この日私たちが目にしたツバメの巣は、隣のお店の人が、日頃から観察しているらしく、ひとしきり説明してくれました。いつ巣ができて、どんな頻度で親ツバメが餌を運んでいるのか、等々。観光のお客さんだけでなく、小さき生き物にも、温かな視線が注がれているのです。

(金属線のようなものの上で佇むツバメ)
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道をはさんだお店の軒下にもツバメが一匹いました。そのツバメが留まっているのは、ピアノ線のような細い針金状のようなものでした。お店の人が据え付けたようです。

のんびりと、安らかに佇む姿。野鳥と人が交わり、つくられる営み。かけがえのない場に居合わせた心境になりました。

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「稼げる」山里に 食堂開き羊放牧

地理的ハンディを克服して、山里ににぎわいをもたらそうと、果敢に挑戦する若者グループがいます。場所は、白山ろくの木滑集落。そこでこの度、食堂を開き、肉の販売を目指して羊の放牧を始めました。

山間地ビジネスを立ち上げたのは、里山総合会社・山立会(やまだちかい)の有本勲代表ら。有本さんはこの白山ろくの地を「稼げる」場所にしようと、山の素材を活かしたいくつかのビジネスを立ち上げ、仲間とともに奮闘しています。
私たちは、5月末にオープンして間もない、同社の山立会食堂を訪れ、そこならではのお食事を楽しみました。

(白山市木滑にある山立会食堂)
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この食堂は、白山市木滑の国道360号沿いにあります。訪れた時は、既に若者グループが席に着いていました。
私たちが注文したのは、この日おススメのみそ豚バラ丼とナメコとろろ丼、そしてデザートのナメコアイス。
いずれも丁寧に作られており、おいしく、お腹いっぱいになるランチとなりました。

【頂いたお食事】
(みそ豚バラ丼)
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(ナメコとろろ丼)
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(ナメコアイス)
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(店を切り盛りする有本代表・右と学生さんスタッフ)
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店内には、山立会が生産するナメコやイノシシ、クマ、シカのジビエのお肉の販売コーナーもあります。ドライバーが立ち寄り、買い求める姿がありました。

(放牧されている羊たち)
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同社はこのほか、野生動物の調査や野菜の栽培など、幅広く事業を展開しています。その中で、羊の飼育は、食肉販売のほか、将来的には、この一帯を羊観光の場「白山ラムパーク」へと発展させることを構想しています。そのスタートアップとして、昨年には、クラウドファンディングで資金募集も行いました。

私たちが彼らと共に時間を過ごすのは、多くの人がチャレンジしてかなわなかった山間過疎地の活性化に向けて、少しでも力になればとの思いもあるからです。

心づくしの山里料理を頂き、その食材のもつ魅力、エネルギーとともに、何にも代えがたいヒューマンパワーも吸収することができました。

今も甦る松本薫選手の勇姿

東京オリンピックまで、あとひと月余りとなりました。「コロナ」に翻弄され、幾多の曲折を経ての開催となりそうですが、始まれば、我が日本選手団の活躍を祈らずにいられません。メダルラッシュで、巷に沈殿する、どこか憂鬱な空気を一掃してほしいものです。

五輪と言えば思い出されるのが、9年前のロンドン五輪の柔道女子57㌔級で金メダルを獲得した松本薫選手です。松本選手は、あかつき屋の近くにご実家があり、地元の味噌蔵町小学校(現在の兼六小学校)を卒業されており、とても身近に感じます。ロンドン五輪では大苦戦した日本柔道の中にあって金メダルをもぎとった快挙は、今も燦然と輝きます。

その決勝での勇姿を描いた水墨画が、兼六小学校に飾られています。生前、水墨画をたしなんだ私の父がロンドン五輪の年に描いたものです。地元の人の仲立ちで学校に寄贈させて頂きました。
過日、階段踊り場に飾られているその絵を篠原忍校長先生らのご案内で見せてもらいました。9年前のこと、そして4年前に90歳で他界した父のことが思い出されました。

(兼六小学校に飾られている松本薫選手の勇姿を描いた水墨画)
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現役時代の松本薫さんの活躍については、今さら言うまでもないことです。私にとっては、五輪のことのほかに、松本さんが選手仲間とトレーニングで近所の八坂を走って昇り降りした姿がよみがえります。
今は、結婚して子どもさんにも恵まれ、素敵なママさんになられていますね。

味噌蔵町小学校が材木町小学校と統合して、今は兼六小学校に名前が変わっても、後輩に当たる児童たちにとっては、あこがれであり、敬愛する大先輩であることに変わりはないようです。
間もなく57年ぶりに東京オリンピックが開催されます。再び見る人を感動させるドラマが繰り広げられると思うと、今からわくわくします。

花々に彩られ、初夏楽しむ

6月も半ばとなりましたが、北陸・金沢は梅雨入りはまだ。夏のまぶしい日差しを感じる日が増えましたが、蒸し暑さはなく、比較的しのぎやすい。あかつき屋では、西から格子戸の合間を通って吹き込む風もあり、中はけっこう快適です。

今、ここは花に彩られる季節。お庭のサツキ、玄関付近のダイアンサスやルピナス等々。これらの花は、木質の町家によく合い、建物を一段と引き立てます。

ただ、今は、水回りの工事を行っているので、あかつき屋は閉店中ゆえ、お客様の目にふれることはありません。残念ではありますが、リノベーションした後、あかつき屋は一層美しく、利便性が増すと思うので、それもいっときのことと受け入れています。日々、粛々と過ごしています。

(満開となったサツキ)
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(縁側からお庭を望む)
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お庭は、このあかつき屋において、重要エリア。縁側からの風景は、この上ないもので、寒い冬の時季を除いて、お客様には縁側からの眺めを楽しんで頂いています。そのため、水やりや草取りは欠かさず、年に数回庭師さんに入ってもらい、樹木の剪定をしてもらっています。

苔は次第にその面積と厚さを増し、お庭全体に広がっているその様は、毎日見ている自分でも感銘を受けるほど。その中で今は、ツツジに続いてサツキの花が見頃を迎えました。赤や白の花が庭に華やかさを与えています。
大きな葉が特徴のギボウシも茎を伸ばしています。つぼみが膨らんできており、あと一週間ほどで可憐な白い花をつけそうです。

(華やかなダイアンサス)
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(ルピナスなどの寄せ植え)
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家の前のダイアンサスはナデシコの仲間。多年草で先の大雪を乗り越え、一斉に赤い花を咲かせました。前を通る近所の人の目を楽しませているようです。
     
      水回りの改修工事進む
日中、工務店さんや水道屋、電気屋さんなどの工事関係者が出入りしているので、その進捗を見ながら、その方たちと言葉を交わしています。
本格的な夏の観光シーズンを前に、進められる改修。ひと月余り後、リノベされた町家で過ごされるお客様の笑顔を思い描く日々です。

水回りの改修工事に入ります。

あかつき屋では6月初めから約1か月半にわたって、洗面所やシャワールーム、一部トイレなどの水回りについて、改修工事を行います。より質の高い衛生環境が求められる昨今の社会情勢を受けて、設備の更新と拡充を図るものです。このため、7月15日までの間、休業させて頂きます。

今回の改修は、あかつき屋の開業10周年事業の一環です。洗面所をより近代的なものに改修し、非接触型の水道蛇口を導入します。また、お風呂場を全面的に工事、シャワールーム専用とし、その隣を手洗い場付き、更衣室とします。

水洗トイレも新しくし、ウォシュレットなどを備えた和モダンのトイレに模様替えします。これによって、二つのトイレはいずれもウォシュレット付きとなります。

これまでのお風呂場や旧のトイレは、タイル張りで昭和40年代(?)のレトロな味わいがあったのですが、より細やかにお客様ニーズに応えていきたいと、改修を決断しました。

お客様には、しばらくの間ご迷惑をおかけすることになりますが、完成後は、より清潔で、快適性が増した、あかつき屋ステイをお楽しみ頂けると思います。ご来館を心からお待ちしています。