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あかつき太郎の町家日記

金沢町家ゲストハウス あかつき屋をめぐる出来事や思い、人とのふれあいなどをつづるブログ。街角の話題や四季折々の風情も紹介していきます。

あかつき屋のホームページはこちらです。

冬空の下、ふれあい街歩き

例年になく雪のない冬となっている金沢ですが、冬は冬。寒中でもありますので、やはり外に出れば寒さは感じられ、厚手のコートは必要になります。

そんな中で、精力的に街なかを歩いて観光されたあかつき屋のお客様がいらっしゃいました。首都圏からお越しになったご夫妻で、ここに二泊されました。あかつき屋の近隣のいくつかのお店に立ち寄られ、店主の方らと気さくにおしゃべり。ホットな時間をもたれました。

(加賀棒茶の専門店・坂緑香園さん)
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二泊されてご出発の朝。こちらがご案内したのは、歩いて数分のところにある坂緑香園さんです。ご夫妻は、加賀棒茶をお土産にしたいとおっしゃったので、その棒茶の専門店である坂さんのお店をご紹介しました。

(店主の坂さんがご夫妻に熱心にご説明)
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(加賀棒茶の素になるお茶の茎を見せて下さいました)
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坂緑香園さんは加賀棒茶を販売する老舗で、現在のご主人は三代目だそう。坂さんは、ご夫妻にお茶のおいしい入れ方などを手ほどき。
また、加賀棒茶は、坂さんのところでは、厳選した茎だけを焙煎しており、坂さんは実際にお茶の茎を示しながら「お茶の葉っぱを焙煎しているのと違って雑味のない、すっきりとした味が、加賀棒茶の特長」とおっしゃいました。

(坂さんはお茶を焙煎する工場でもご説明)
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坂さんは、お店の隣にある工場にもお二人を案内し、実際にお茶を焙煎するドラムの前で、棒茶づくりの工程を説明して下さいました。

ご夫妻は、加賀棒茶のパックを何袋もご購入。そして、ざっくばらんにおしゃべり。その中で、坂さんが学んだ東京の大学は、ご夫妻の奥様のお母さんと同じ大学で、お二人の年齢も同じであることが分かり、「何という偶然」と互いに驚かれました。

お二人は二泊三日の間、このほか、あかつき屋の近所のふじた酒店さんでは若女将さんと、御朱印を頂いた前のお寺広済寺さんでは奥様と、そして、兼六園下交差点そばの喫茶店「いしかわ門」さんでは、モーニングセットを頂きながら、ママさんとご歓談。地元の人の人情にふれる金沢ステイになったようです。

この度のご宿泊ありがとうございました。この兼六大通り、賢坂辻界隈は、長年、地道にご商売を営み、地元の人らから愛されているお店が、少なくありません。今度お越しの折は、また別のお店も知って頂ければと思います。ぜひまたお越し下さいませ。

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圧巻 加賀路旅 温泉、絵付け、山中節も

あかつき屋のお客様を通じて、地元石川の魅力を発見または、再発見することが少なくありません。この三連休に東京からお越しになった女性お二人は、まさにそんな方々でした。

お二人は、あかつき屋に二泊されましたが、事前リサーチがしっかりしていて、訪問先のポイントを外さないばかりか、こんなところもあったのか、とこちらが教えられるようなところにも出かけられました。その中で圧巻だったのは、ご宿泊二日目の加賀路の旅です。レンタカーで片山津、山中、山代の三温泉をめぐられ、三つの総湯(公衆浴場)をはしごされました。

冬空の下、そのバイタリティーと軽やかな身のこなしに感嘆しました。

(山代温泉の古総湯=以下、ご提供写真)
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お二人は、加賀温泉のお風呂に入るのが大きな目標だったようです。で、お湯に浸かったのは、山中温泉の菊の湯のほか、山代温泉の古総湯、総湯の計三つです。いずれも建物や浴場などに独特の趣があり、長い年月に培われた味わいがあります。お二人は、地元の人の暮らしぶりをも垣間見ながら、加賀温泉の魅力を大いに満喫されたようです。

(ゆかたべさん人形にドラえもん描く)
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(中谷宇吉郎雪の科学館)
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このほか、山中温泉では、山中座で芸妓の舞台を観賞。「(忘れしゃんすなで始まる)山中節を楽しみました」(お二人)。この温泉街では、九谷焼窯元きぬやを訪れ、「ゆかたべさん人形」に絵付けをしてきました。
九谷焼については、大聖寺にある県九谷焼美術館にも足を運び、九谷焼の逸品を間近にし、その伝統工芸の魅力にふれました。

片山津温泉では、中谷宇吉郎雪の科学館を訪問。様々な展示物を通じて、雪や氷のロマンにいっとき浸られました。

(すし酒菜 なかむらさんのお料理)
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金沢では、「すし酒菜 なかむら」さん(広坂1丁目)でご夕食、日本海の新鮮な幸に舌鼓を打たれました。

ご滞在中、北陸の冬らしく天候は不安定で、時折雨が降りましたが、「その時は運転中で、雨に濡れずラッキーでした」とのこと。肌寒い日であったものの、お二人は夜遅くまで戸外で過ごされ、冬の金沢、加賀路を十二分に味わわれました。

ご宿泊ありがとうございます。今度は、暖かい季節に来て下さると、また別の魅力にふれることができると思います。お気軽にご再訪下さいませ。

カニの漁師町 味覚と人情にふれ

(前回のつづき)
この越前海岸。美しい海辺の風景とともに、もう一つビッグな特産品がありました。それは、カニ、中でもズワイガニです。漁港を有する越前町は、福井県内でもトップクラスのカニの水揚げ高を誇り、県内外にその名をとどろかせています。

その名物にふれないわけには、いかない。カニの博物館を訪ねて造詣を深め、カニ料理店で地元ならではのカニの調理について新たな知見を得ました。

【越前がにミュージアム】
(漁村風景を模したジオラマ)
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(生きたズワイガニがいました)
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ズワイガニは、日本海の冬の味覚の代名詞にされるほどに、私たちの身近にあります。でも、同じ北陸でもその呼び方が異なり、石川県は加能ガニと言い、福井県は越前ガニと呼びます。同じ海産物ですが、おらが海ならではの幸であると主張するようでもあります。

そのカニについて、多角的に紹介する博物館が越前町にあります。越前がにミュージアムです。建物は、カニが足を広げたような形をしています。

そこでは、カニの生態のほか、地元のカニ漁の歴史や、カニを生業とした漁村の暮らしぶりなどを幅広く展示しています。もちろん生きたズワイガニも紹介。カニ専門の博物館では、北陸随一の規模と内容と言えます。ここで改めてズワイガニついて見聞を広げました。

その後は、思い切ってカニ料理のお店へ。訪れたのは、蟹かに亭です。カニ料理専門店が軒を並べる中にありました。
店内は、カニシーズンとあって、既に大勢のお客さんがいました。

(お店の方が手際よくカニの身を出して下さいました)
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出されたカニはゆで上がったばかりのもの。さすがに本場とあって、美味でした。
ここで、新しいカニの食べ方を教わりました。カニの足とカニ味噌などを取り出し、それらを大根おろしと混ぜ合わせます。これをどんぶりのご飯の上にのせて食べるのです。

(地元に伝わる漁師飯のどんぶり)
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スタッフの女性が言いました。「これは、昔からここで伝わる漁師のまかない飯なんです。おいしいですよ」。漁師の家で生まれ育ったという、その年配の女性。はさみでカニ足を根元から切り、カニ足の身を殻から取り出す金属製の細長い器具を使って、つややかな、それを手早く出して下さいました。熟練の技です。

実は、今冬初めてのカニの食事。その濃厚な味に酔いながら、越前海岸を五感で堪能する日帰り旅となりました。

冬の日本海 越前海岸を行く

お正月休みの一日を頂いて、車でお隣福井県の越前海岸へ出かけました。にぎにぎしく、熱気を帯びた状況から身を離し、少し静かな時間を持ちたかったというのが理由です。

着いたその海辺は、波荒く、いかにも日本海という風情。海近くにまで迫る山や崖地は殺風景で、荒涼感さえ漂います。風に吹かれながら、しばしそぞろ歩き。年明けの冬の海を望み、思いをめぐらせました。

(冬の日本海、越前海岸)
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(名勝・呼鳥門)
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ここは越前加賀海岸国定公園に指定されているエリアです。断崖絶壁で有名な東尋坊も含めて、石川県加賀市から福井県敦賀市まで風光明媚な海岸線が延々と続きます。

私たちが訪れたのは、名勝・呼鳥門辺り。呼鳥門は海と接する断崖の一部が、風と波の浸食作用によりくり抜かれてできた天然のトンネルで、ダイナミックな景観は視線を釘付けにします。その付近には園地があり、そこで日本海を展望したり、近くの岩場を観察したりして過ごしました。

人も寄せつけないような、荒々しい地形。訪れた時は、何人もの観光客の姿がありましたが、昔は人に知られることもなく、超然と佇んでいたのでは、と推し量りました。

(可憐な花が咲きそろうスイセン畑)
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帰り道は、越前海岸を北上。ところどころに、白や薄黄色に覆われた斜面があります。近づいて見ると、スイセンの花です。
鈍く、荒い冬の海を見ただけに、その光景にはほっとさせられるようで、気持ちは明るくなりました。

越前水仙と呼ばれる、この花が育つ越前海岸は、日本三大産地の一つだそう。野生だけでなく、人の手によっても守り育てられているのです。このきれいな花々を通して、多少ではありますが、春への鼓動を感じ取りました。(つづく)

あかつき屋10周年 新たな一歩

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
旧年中は、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。

(あかつき屋の正面に掲げた新年ご挨拶)
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オリンピックイヤーの2020年は、あかつき屋にとっては創業10周年の節目の年となります。時の流れは早いとは言うものの、この間いろんなことが思い出され、お客様や地元の人との出会いを通じて、望外の歓びを味わったことも少なくありませんでした。
一方で、時に思いがけず不首尾なこともあり、省みながら成長の糧とさせて頂きました。感謝の気持ちを忘れず、日々精進を誓っています。

(年越しされた神戸からのお客様=写真掲載了解済)
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(かぶら寿司でおもてなし)
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大晦日から新年。今回も意義深く迎えることができました。
神戸から男性3人のお客様がお越しになりました。大晦日の夜、お客様は前のお寺の広済寺さんの除夜の鐘つきに加わった後、あかつき屋で新年の小宴に臨まれました。

毎年恒例の地元の郷土料理のかぶら寿司と地酒でおもてなし。かぶら寿司は私どもの親族のお手製。お客様には初めてのものでしたが、皆さんおいしいと笑顔を見せられました。お客様はこの後、特別にライトアップされた兼六園へ歩いて向かわれました。

(椿原神社へ初詣)
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明けて元旦。私ども家族はそろって地元の氏神様椿原神社に初詣に出かけました。大勢の参拝客。拝殿前で柏(かしわ)手を打ち、一年の無病息災と商売繁盛を祈りました。